2019年12月の夜空†
2019年天文現象、行事メモ
※月齢は21時の値(こよみの計算 - 国立天文台暦計算室にて計算、未明の現象は前日の月齢とする)
今月の一番星は何?†
南西の極超低空から月末に向けて高度を上げ、南西の低空の金星。
(日没は、茨城付近では、午後4時半ごろとなります。)
夕空の見時†
南西の超低空にある、宵の明星、金星が、2020年 3月25日(水)の東方最大離角に向け、だんだん高度を上げていきます。月初、金星の右下に木星、左上に土星があって、夕方の南西の低空で斜めに並んでいますが、金星が土星の方に進んで行き、11日(水)には、2度ほどまで接近し、土星を追い越します。また、その頃には、木星が沈んでしまい、夕空の南西の空には、金星、土星だけがならびますが、土星はどんどん高度を下げ、月末には、すぐに沈んで見えなくなります。
- 12月11日(水)日没直後の南西の超低空で、金星が土星に接近(離角約2度)
- 12月11日(水)夕方の東の空〜宵の南東の空で、月(月齢14.9)がヒアデス星団に入り、おうし座のアルデバランに接近
- 12月11日(水)ごろから、金星が高度を上げ始める
- 12月29日(日)夕方の南西の低空で、月(月齢3.3)が金星に接近(離角約2.5度)
三日月†
半月(上弦)は、12月 4日(水)15:58、1月 3日(金)13:45、三日月は 12月28日(土)、1月27日(月)で、 11月27日(水)〜12月 3日(火)、12月27日(金)〜1月 2日(木)は、西空に三日月形の月が見られます。
- 12日(木)14:12 満月
- アメリカの民間伝承による満月の名前(旧メイン州農暦によるブルームーン計算法)
- Oak Moon, Cold Moon, Long Night’s Moon, Long Night moon, Snow Moon, Moon Before Yule(オーク・ムーン、ロングナイト・ムーン、ムーン・ビフォー・ユール〜冬至祭の前の月)
- 現行アメリカ農暦(Farmers’ Almanac、Old Farmers’ Almanac 現在発行版)による満月の名前
- Full Cold Moon(別名:Full Long Nights Moon, Moon before Yule) コールド・ムーン
寒さが厳しい頃の月
今月の惑星†
- 木星(−2等)は、夕空の南西の超低空に昇っていて、初旬は午後6頃時に沈みます。中旬以降は、日没直後、直前に沈んでしまい、見づらくなります。
- 土星(1等)は、夕空の南西の低空に昇っていて、午後7時頃〜午後5時半頃に沈みます。
- 金星(−4等)は、日没直後の南西の超低空に宵の明星として見えていて、少しずつ高度を上げ、中旬から高度の上がり方が早くなり、夕方の南西の空に君臨します。午後6時頃〜午後7時頃に沈みます。
- 火星(2等)は、日の出前の東の低空に見えます。午前4時頃東南東の空に昇ってきます。
- 水星(−1等)は、11月28日(木)に西方最大離角を過ぎ、12月下旬ごろまで、日の出直前の東南東の極超低空で見ることができます。
初旬、夕方の南西の低空に上から、土星、金星、木星が斜めに並び、金星が土星に近づいて、11日(水)土星に約2度まで接近し、その後追い抜きます。木星は、高度を下げていき、中旬ごろには見えなくなります。それで、中旬以降は、上から、金星、土星と並びます。
日の出直前の南東の低空では、上から、おとめ座のスピカ、火星、水星が斜めに並んでいます。火星、水星はスピカから離れる方向に動き、これら3星の間隔が長くなっていきます。中旬には、水星が見づらくなり、明け方の空に、惑星では、火星だけが見えます。
- 12月11日(水)日没直後の南西の超低空で、金星が土星に接近(離角約2度)
- 12月23日(月)夜明け前の南東の低空で、月(月齢25.9)が、火星に近づく
- 12月29日(日)夕方の南西の低空で、月(月齢3.3)が金星に接近(離角約2.5度)
今月の流星†
- 12月14日(土)〜15日(日)ふたご座流星群 月齢:18 条件悪
- 12月14日(土)11時〜15日(日)08時 極大
ペルセウス座流星群とともに二大流星群といわれ、毎年必ず流れる、ふたご座流星群、今年は満月後の月が午後6時過ぎには出てきて、日の出過ぎまで眩しく輝きますので、条件はあまり良くありません。ただし、ふたご座流星群には明るい流星も多いので、明るい流星なら1時間に数個ぐらいは、見えるかもしれません。
月の眩しさが目に入らないように工夫しながら、なるべく広い範囲を見てみましょう。
※参考:国際流星機構 2019 Meteor shower calendar (PDF) 15page
冬の流星観望は、とにかく寒さとの戦いです。冬の夜は思いの外、冷え込みます。特に体を動かさないため、どんどん体が冷えてしまいます。風が吹くとさらに体感温度が下がります。防寒具はもちろん、防風の生地やカイロなど、必要以上と思われる防寒対策で臨みましょう。
流星を見るコツは、とにかく、たくさんの空が見える空の開けたところで、できれば横になって、なるべく空全体を見るように顔を動かせば、運が良ければ、見つけることができるでしょう。ただし寒いので、体が直接地面や建物に触れないよう敷物やいす、寝台など工夫しましょう。また、立ったまま首を真上に向け続けると、首を痛めることがありますので、十分注意してください。
今月の部分日食†
- 12月26日(木)部分月食(食分 0.261)(東日本では日没帯食)
見やすい星座†
※宵の空(20時ごろの星空)での見え方です。
秋の四辺形(ペガスス座)が西に傾き、天頂にはアンドロメダ座の星が並んでいます。東の空には、長方形と三つ星でおなじみのオリオン座が昇っています。少し時間が経つと、こいぬ座の一等星プロキオン、おおいぬ座の一等星シリウスが昇り、オリオン座の右肩の一等星ベテルギウスと結んで、冬の大三角形となります。
天文現象と関連行事†
双眼鏡、小望遠鏡のある人は†
- 下弦〜三日月となる、12月19日(木)頃から12月28日(土) 頃までは、星雲星団、天の川の見頃となります。
- オリオン座の三ツ星をオリオンのベルトと考えると右側の腰にそこから探検のように3つ並んだ星が見つかります。小三つ星です。この小三つ星の真ん中の星を双眼鏡で見ると、何かぼーっとした感じに見えます。周りを水素ガスが取り巻き、それが光っているのです。オリオン座大星雲です。オリオン座が昇ってきたら、ぜひ、小三つ星の真ん中の星を双眼鏡で覗いてみてください。
- 午後9時ごろには、ペルセウス座が、天頂にきます。この真ん中付近は、双眼鏡で見ると星座を作る3等星の明るい星がたくさんの細かい天の川の星の中に浮かんでいるように見えて、絶景です。ぜひ、見てみてください。
- ペガスス座の鼻先の球状星団 M15、みずがめ座の球状星団 M2も、双眼鏡でギリギリですが、挑戦してみてください。
- カシオペヤ座とペルセウス座の間の二重星団、hχも、双眼鏡でも美しい対象です。ぜひ、挑戦してみてください。
- アンドロメダ座の膝頭の近くにある250万光年かなたのアンドロメダ銀河も双眼鏡で見ることができます。見てみてください。
※双眼鏡は、倍率6〜10倍で口径40〜50mmを推奨します。
出典、参考†
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