2018年1月の夜空†
2018年天文現象、行事メモ
※月齢は21時の値(こよみの計算 - 国立天文台暦計算室にて計算、未明の現象は前日の月齢とする)
今月の一番星は何?†
25日ごろまでは、北西の空に白く輝く、こと座のベガ(0等)か、北東の空に金色に輝く、ぎょしゃ座のカペラ(0等)か。25日ごろ以降は、北東の空高く、ぎょしゃ座のカペラ(0等)か、南東の空低く、おおいぬ座のシリウス(−1等)。
(日没は、茨城付近では、午後4時半ごろ〜午後5時ごろとなります。)
夕空の見時†
夕方の西空の、こと座のベガ(0等)、はくちょう座のデネブ(1等)、わし座のアルタイル(1等)の夏の大三角形は下旬には沈み始めます。東の空には、冬の星座が昇り、賑やかになってきます。
27日(土)には、南東の空で上弦過ぎの月がおうし座のアルデバランに接近、秋田県,岩手県以北では、アルデバランが月に隠される星食となり、秋田県、岩手県で南限界線接食となります。2015年から始まったアルデバランの星食シーズンはこれで終わり、日本で次にアルデバランの星食が見られるのは2034年です。
- 1月27日(土)夕方の南東の空で、月(月齢10.4)が、おうし座のアルデバランに接近(秋田県,岩手県以北で食、同県で南限界線接食)
三日月†
半月(上弦)は25日(木)07:20、三日月は19日(金)で、19日(金)〜24日(水)は、西空に三日月形の月が見られます。
満月、ブルームーン、スーパームーン†
ブルームーンをどう定義するかは以下の2説あります。
- 二至二分(夏至冬至春分秋分)の間に満月が4回あった時に3番目の満月をブルームーンとする (旧メイン州農暦の計算法)※2018年天文現象、行事メモ#e4060029
- ひと月に2度ある満月のうち、2度目をブルームーンとする(現行アメリカ農暦の方法) ※2018年天文現象、行事メモ#da8404ee
1.の方法では、今年は、ブルームーンはなく、2.の方法では、日本を含む広い地域で2回あります。
2.の方法(現行アメリカ農暦の方法)でのブルームーン
- 日本を含め、UTC+11 の時間帯より西側(UTC-12〜UTC+10)では、2回
- UTC+10 で夏時間がある場合(オーストラリア シドニーなど)、UTC+11、UTC+12 は、1回
- UTC+12 で夏時間がある場合(ニュージーランドなど)、月遅れで、1回
参考:Blue Moon - The Double Blue Moon of 2018、時間帯 (標準時) - Wikipedia
スーパームーンの定義は、ここでは、占星術師 Richard Nolle が行い、NASAが受容した方法(2018年天文現象、行事メモ#m50d34e3)をとります。
1月に2回(2017年12月から連続3回)起こります。
- 1月 2日(月)(地心距離:356602km)
- 1月31日(火)(地心距離:360198km)
今年の満月は、日本を含め、UTC+11 の時間帯より東側(UTC-12〜UTC+10)では、1月に2回起こります。また、今年最初の満月は、今年の満月としては最も地球に近い満月となります。さらに、1月の2度目の満月は、皆既月食を起こします。これらと、満月の名前をまとめると以下の通りです。
- 1月 2日(木)11:24 満月、スーパームーン、今年最近の満月(356602km 視直径 33分30秒)
(ふれあいの里天文台では、1日の月の入りは05:23、2日の月の出は16:54で、満月の瞬間から2日の月の出までの時間が1日の月の入りからの時間より30分短いので、2日に昇る月の方がわずかに満月に近い ※こよみの計算 - 国立天文台暦計算室)
- アメリカの民間伝承による満月の名前(旧メイン州農暦によるブルームーン計算法)
- Wolf Moon, Old Moon, Moon After Yule, Ice Moon
- 現行アメリカ農暦(Farmers Almanac、Old Farmers Almanac 現在発行版)による満月の名前
- Full Wolf Moon(別名:Old Moon, Moon After Yule, Full Snow Moon) ウォルフ・ムーン
狼の群れがひもじそうに遠吠えする頃の月
- 1月31日(水)22:27 満月、スーパームーン、ブルームーン(皆既月食となる)
- アメリカの民間伝承による満月の名前(旧メイン州農暦によるブルームーン計算法)
- Snow Moon, Hunger Moon, Bony Moon, Storm Moon
- 現行アメリカ農暦(Farmers Almanac、Old Farmers Almanac 現在発行版)による満月の名前
- Blue Moon ブルームーン (Full Snow Moon(別名:Full Hunger Moon))
ただし、UTC+11(UTC+10で夏時間がある場合)〜UTC+12の時間帯では、ブルームーンとならない。Full Snow Moon(別名:Full Hunger Moon)スノー・ムーンとなる。(スノー・ムーンは、雪の激しく降る頃の月の意味)
というわけで、今年は、1月に2度のスーパームーン、うち1度は、ブルームーンでの皆既月食となり、巷の話題となるでしょう。
今月の惑星†
- 火星(1等)は、午前3時頃〜午前2時頃、東の空に昇ってきます。
- 木星(−2等)は、午前3時頃〜午前1時半頃、東の空に昇ってきます。
- 水星(0等)は、月初、日の出直前の高度が16度を超えて中旬ごろまでは見やすいですが、月末には太陽方位となり見づらくなります。
- 土星(0等)は、午前6時20分頃〜午前4時半頃、東の空に昇ってきます。
- 金星(−4等)は、太陽方向で見づらいです。
日の出前の東の低空で木星、火星が接近し、月初から中旬まではそれに水星が加わり(2日(火)の西方最大離角時で日の出時の高度が16度)、さらに中旬以降、南東の空に土星が昇ってきて、夜明け前の空に輝きます。
なお、これらの惑星は、今後、ばらけながら未明から夜半、宵の空に移って、7月には、夕空から宵の明星、金星、非常に低いながら水星も加わって、夜更けから宵の空いっぱいに曜日のつく惑星が並びます。また、8月には宵の空に木星、火星、土星、金星と並びます。
今月の月食†
今月の流星†
見やすい星座†
※宵の空(20時ごろの星空)での見え方です。
秋の星座、ペルセウス座が天頂付近にあり、秋の四辺形(ペガススの四辺形)が西に傾いています。南西の空にポツンとあるのは、くじら座の二等星、デネブカイトスです。東から南の空にかけて、冬の星座が昇り、7つの一等星、おうし座のアルデバラン、ぎょしゃ座のカペラ、ふたご座のポルックス、こいぬ座のプロキオン、おおいぬ座のシリウス、オリオン座のリゲル、ベテルギウスを引き連れて、賑やかに輝いています。
夜明け前の見時†
日の出前の東の低空で木星、火星が接近し、月初から中旬まではそれに水星が加わり(2日(火)の西方最大離角時で日の出時の高度が16度)、さらに中旬以降、南東の空に土星が昇ってきて、非常ににぎやかです。木星と火星の右上にはおとめ座のスピカがあり、9日(火)〜16日(火)には、月も加わって、さらに、にぎやかになります。
なお、これらの惑星は、今後、ばらけながら未明から夜半、宵の空に移って、7月には、夕空から宵の明星、金星、非常に低いながら水星も加わって、夜更けから宵の空いっぱいに曜日のつく惑星が並びます。また、8月には宵の空に木星、火星、土星、金星と並びます。
- 1月 2日(火)日の出前の南東の空で水星が見やすく、右上には非常に近づいた木星と火星が輝く(20日ぐらいまで水星が見時)
- 1月 7日(日)未明の南東の空で火星が木星の約13分まで非常に接近(望遠鏡の同視野に入るかもしれない)
- 1月 9日(火)未明の南東の空で月(月齢21.2)がおとめ座のスピカに近づく
- 1月10日(水)ごろから、日の出直前の南東の超低空に土星が現れ始め、右上の水星、さらに離れて近づいた木星とか星が見えて賑やか月も近づいてくる。木星、火星、土星はこの後もばらけながら未明→夜半→宵と空を賑わせ、8月からは夕方の空にほぼ均等に並ぶ。
- 1月11日(木)未明の南東の空で月(月齢23.4)が接近している木星、火星に近づく(日の出前に水星と土星が超低空に昇ってくる)
- 1月12日(金)未明の南東の空で月(月齢24.4)が接近している木星、火星に近づく(日の出前に水星と土星が超低空に昇ってくる)
- 1月13日(土)日の出直前の南東の超低空で水星が土星に約1度まで非常に接近(14日も近い)(右上に月齢25.4の細い月、さらに右上に接近している木星と火星)、月(月齢25.4)がさそり座のアンタレスに近づく
- 1月15日(月)日の出直前の南東の超低空で月(月齢27.4)が接近している水星、土星に接近(右上に接近している木星と火星があり賑やか)
天文現象と関連行事†
- 1月? 超小型衛星TRICOM-1Rを載せたSS-520ロケット 5号機打上げ ※JAXA | SS-520 5号機実験の延期について
- 1月 SpaceX、Falcon Heavy(ファルコンヘビー)を試験打ち上げ
- 1月 2日(火)日の出前の南東の空で水星が見やすく、右上には非常に近づいた木星と火星が輝く(20日ぐらいまで水星が見時)
- 1月 2日(火)11:24 満月、ウォルフ・ムーン、スーパームーン、今年最近の満月(356602km 視直径 33分30秒)
- アメリカ伝承による満月の名前:Wolf Moon, Old Moon, Moon After Yule, Ice Moon
- 現行アメリカ農暦による満月の名前:Full Wolf Moon(別名:Old Moon, Moon After Yule, Full Snow Moon)ウォルフ・ムーン(狼の群れがひもじそうに遠吠えする頃の月)
- 1月 3日(水)〜 4日(木)しぶんぎ座流星群 極大:4日07時 月齢:17 条件悪
- 1月 6日(土)〜15日(月)GLOBE at Night(対象:北緯40度〜南緯30度 オリオン座、北緯40度以上 おうし座、南緯30度以上 おおいぬ座)日本語サポートページ 日本語Webアプリ(スマホでも使えます。)環境省_冬の星空を観察してみませんか
- 1月 7日(日)未明の南東の空で火星が木星の約13分まで非常に接近(望遠鏡の同視野に入るかもしれない)
- 1月 7日(日)〜20日(土)デジカメ星空診断 powerd by 星空公団
- 1月 9日(火)未明の南東の空で月(月齢21.2)がおとめ座のスピカに近づく
- 1月 9日(火)07:25 下弦
- 1月10日(水)ごろから、日の出直前の南東の超低空に土星が現れ始め、右上の水星、さらに離れて近づいた木星とか星が見えて賑やか月も近づいてくる。木星、火星、土星はこの後もばらけながら未明→夜半→宵と空を賑わせ、8月からは夕方の空にほぼ均等に並ぶ。
- 1月11日(木)未明の南東の空で月(月齢23.4)が接近している木星、火星に近づく(日の出前に水星と土星が超低空に昇ってくる)
- 1月12日(金)未明の南東の空で月(月齢24.4)が接近している木星、火星に近づく(日の出前に水星と土星が超低空に昇ってくる)
- 1月13日(土)日の出直前の南東の超低空で水星が土星に約1度まで非常に接近(14日も近い)(右上に月齢25.4の細い月、さらに右上に接近している木星と火星)、月(月齢25.4)がさそり座のアンタレスに近づく
- 1月15日(月)日の出直前の南東の超低空で月(月齢27.4)が接近している水星、土星に接近(右上に接近している木星と火星があり賑やか)
- 1月17日(水)11:17 新月
- 1月18日(木)06:06:11 高性能小型レーダ衛星ASNARO-2を載せたイプシロンロケット3号機打上 ※JAXA | イプシロンロケット3号機による高性能小型レーダ衛星(ASNARO-2)の打上げ日時について
- 1月19日(金)三日月
- 1月25日(木)07:20 上弦
- 1月27日(土)夕方の南東の空で、月(月齢10.4)が、おうし座のアルデバランに接近(秋田県,岩手県以北で食、両県
で南限界線接食)
- 1月31日(水)12:00〜2月2日(金)12:00 皆既月食を観察しよう 2018 by 国立天文台 ※2018年1月31日夜、皆既月食の色を観察するキャンペーンを実施 | 国立天文台(NAOJ)
- 1月31日(水)22:27 満月、ブルームーン、スーパームーン
- アメリカ伝承による満月の名前:Snow Moon, Hunger Moon, Bony Moon, Storm Moon
- 現行アメリカ農暦による満月の名前:Blue Moon ブルームーン ただし、ただし、オーストラリアの一部やニュージーランドなどではこの日に満月とならないので、ブルームーンではない(2月 1日(木)の月が、Full Snow Moon(別名:Full Hunger Moon)スノー・ムーンとなる)
- 1月31日(水)皆既月食 半影食始め 19:49.8、部分食の始め 20:48.1、皆既食の始め 21:51.4、食の最大 22:29.8、皆既食の終り 23:08.3、部分食の終り 2月1日 00:11.5、半影食の終り 01:10.0
双眼鏡、小望遠鏡のある人は†
- 下弦となる9日頃から三日月となる19日頃まで、星雲星団、天の川の見頃となります。
- カシオペヤ座とペルセウス座の間の散開星団、二重星団 hχ(エイチ・カイ) 、また、明るい三等星の星々が細かい天の川の星々の中で輝いて、宝石のように見える、ペルセウス座、双眼鏡でぜひ見てください。
- 我々の銀河(天の川銀河)のお隣、250万光年かなたの渦巻き銀河、アンドロメダ銀河も、引き続き挑戦してみてください。
- ぎょしゃ座の散開星団、M36、M37、M38 は、双眼鏡でも見ることができます。ただし、ちょっとした小さなホコリのようで、かすかです。空が良い時に空が良い場所で挑戦してみてください。
- オリオン座のM42(オリオン座大星雲)は、双眼鏡でよく見えます、オリオン座の三ツ星の下にある小三ツ星の真ん中の星の周りに散光星雲オリオン座大星雲が取り巻いています。
- ふたご座のカストル側の足元にあるM35散開星団は、双眼鏡でもまばらな星が小さく集まっているのがわかります。ぜひ確認してください。
- 夜半から未明にかけて、春の星座が昇りますが、日本では、春霞と天候不順を避けて、春の星雲星団、特に系外星雲(小宇宙あるいは銀河)を冬に見る傾向があります。20日(土)の夜半あたり、周りに何も光源がない暗い場所に行けたら、大きめの望遠鏡を使って、数千光年の旅をしてみてください。
※双眼鏡は、倍率6〜10倍で口径40〜50mmを推奨します。
出典、参考†
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