2015年5月の夜空†
2015年天文現象、行事メモ
今月の一番星は何?†
西の空、さらに高度を上げている金星(ー4等)です。
(日没は、茨城付近では、午後6時半頃〜午後6時半過ぎとなります。)
夕空の見時†
今月前半は今年一番の夕空の水星(0〜2等)の見時となります。4月27日(月)頃〜5月17日(日)頃、水星の日没直後の高度が15度以上となり、5月2日(土)〜10日(日)には、19度を超え、6日(水)、7日(木)には、高度が19.7度となって、夕空では今年最高度となります。ちょうどゴールデンウィークとなるこの時期、西の地平線が見渡せるようなところに行き、よく晴れたなら、是非、挑戦してみて下さい。
- 6日(水)、7日(木)日没直後の西の超低空で水星が今年一番の見時(日没時の高度が19.7度)
- 7日(木)水星東方最大離角
また、一番星の金星(ー4等)は、6月の東方最大離角に向けさらに高度を上げ、暗くなっても、まばゆく輝いています。21日(木)には、三日月が斜め左下に来て、よい見時となるでしょう。
- 21日(木)夕方の西の空で、月(月齢3.3)が金星の左斜め下に来る
- 22日(金)夕方の西の空で、月(月齢4.3)が金星の左に来る
さらに、夕方の南西の空高くには、非常に明るい木星(ー2等)が昇って来ており、こちらも人の目を引くことでしょう。
右の画像は、2015年5月2日 19:35 に撮影したものです。日没後約1時間です。
三日月と満月†
三日月は21日(木)、半月(上弦)は26日(火)で、20日(水)〜25日(月)は、西空に三日月形の月が見られます。満月は 4日(月)です。
今月の惑星†
- 金星(−4等)が、宵の明星として夕方の西空に非常にまばゆく輝き、午後10時頃には沈んでしまいます。
- 木星(−2等)は、夕方の南西の空高くに昇っていて、まばゆく金色に輝いています。午後11時半には沈んでしまいます。
- 土星(1等)が、午後7時頃に南東の空に昇ってきます。
- 水星(0〜2等)は、今月前半、夕空としては今年最も見やすくなります。日没直後の西の低空です。
- 火星(1等)は、太陽方向で見づらいです。
見やすい星座†
北の空では、北斗七星が空高く、ほとんど真上に来ていて、いよいよ春の星座、本番です。春の星座を見つける目印、北斗七星の柄の部分から、うしかい座のアークトゥルス、おとめ座のスピカと春の大曲線をたどり、見つかったこの2つの星から春の大三角形のもう一つの星、しし座の2等星、デネボラがわかれば、春の星座は芋づる式に見つかっていくでしょう。
見つけやすい、おおぐま座、うしかい座、おとめ座、しし座の他にも暗い星で出来ている星座もありますので、この機会に、探してみてください。このページも面白いですよ。
天文現象と関連行事†
- 4月27日(月)〜5月17日(日)日没直後の西の超低空で水星の見時(日没時の高度が15度以上となる)
- 5月 1日(金)日没後の西の超低空で、水星がすばる(プレアデス星団)に接近
- 5月 2日(土)月齢:13.7〜 6日(水)月齢:17.7 ゴールデンウィーク(4日(月)満月)
- 5月 4日(月)満月
- 5月 5日(火)夜遅く南東の空で、月(月齢16.7)が土星に接近
- 5月 6日(水)日没直後の西の超低空で水星が今年一番の見時(日没時の高度が19.7度)
- 5月 7日(木)水星、東方最大離角
- 5月 9日(土)〜17日(月)GLOBE at Night 2015(国際ひかり年公式行事)対象:しし座 Webアプリ
- 5月11日(月)下弦
- 5月18日(月)新月
- 5月21日(木)三日月
- 5月21日(木)夕方の西の空で、三日月(月齢3.3)が金星の左斜め下に来る
- 5月21日(木)夕方の西の空で、月(月齢4.3)が金星の左に来る
- 5月24日(日)宵の西の空で、月(月齢6.3)が木星に接近
- 5月27日(水) 4:46 → 7月下旬に延期 国際宇宙ステーション第44次/第45次長期滞在クルー、油井亀美也宇宙飛行士を乗せたソユーズ42号(TMA-17M)、ソユーズFGロケットにて打ち上げ(第44次、第45次ミッションポスターpdf)
- 5月26日(火)上弦
ちなみに6月は、
- 6月〜7月 夕方の西の空で金星が木星に下から近づいて行き(7月1日(水)最接近)追い抜いて行く
- 6月中旬〜10月いっぱい 夕方の南東〜南〜南西の空で土星とさそり座のアンタレスが並んでいる(アンタレスの上〜右に土星)
- 6月 1日(月)宵の南東の空で、月(月齢14.3)が土星に接近
- 6月 3日(水)満月
- 6月 7日(日)金星、東方最大離角
- 6月 8日(月)関東地方梅雨入り平年
- 6月 8日(月)〜10日(水)全国プラネタリウム大会 前橋市児童文化センター (群馬県前橋市)
- 6月 8日(月)〜17日(水)GLOBE at Night 2015(国際ひかり年公式行事)対象:うしかい座 Webアプリ
- 6月10日(水)下弦
- 6月14日(日)夕方の西の空で金星がプレセペ星団に接近(双眼鏡での対象)
- 6月16日(火)新月
- 6月18日(木)三日月
- 6月20日(土)夕方の西の空で、三日月(月齢3.9)が金星の左斜め下に来る(金星の左上には木星)
- 6月21日(日)International SUN-Day(Charlie Bates Solar Astronomy Project 主催)(Google+) 国際太陽の日
- 6月21日(日)Worldwide Solstice Festival(Facebookページ) 世界至点(夏至、冬至)祭 (呼びかけ人:Facebook内、Solaractivityグループ)
- 6月21日(日)夕方の西の空で、月(月齢4.9)が木星に接近(木星の左側に。右下には金星)
- 6月22日(月)1:38 夏至
- 6月22日(月)20:00〜22:00 夏至ライトダウン
- 6月24日(水)上弦
- 6月27日(土)〜28日(日)日本天文愛好者連絡会年会(全国大会) 京都大学理学部セミナーハウスにて
- 6月29日(月)〜7月 1日(水)公開天文台協会(JAPOS) 第10回全国大会 ハートピア安八(岐阜)にて
- 6月29日(月)宵の南の空で、月(月齢12.9)が土星に接近
双眼鏡、小望遠鏡のある人は†
- 下弦となる11日頃から三日月となる21日頃に星雲星団の見頃となります。
- 春の双眼鏡の対象は、かに座のプレセペとかみのけ座の散開星団(Mel.111)です。特にかみのけ座誕生の由来ともなった散開星団メロッテ111(Mel.111)は、空のよいところでは肉眼でも存在がわかりますが、双眼鏡で見る姿が最も美しく、また、双眼鏡で見る対象の中でもトップクラスの美しさです。春先で、なかなか空が澄み渡る日は少ないですが、たまにそんな日があったら、是非、覗いてください。
なお、かみのけ座の31番星と41番星の間には、私たちのいる銀河系から非常に遠いところにある銀河の大集団「かみのけ座銀河団」の銀河達が群れています。大型の望遠鏡でも肉眼で見るのは難しいですが、20cm以上の望遠鏡に冷却CCDなどで撮影すると写すことができるかもしれません。3億光年彼方の宇宙の大規模構造です。メロッテ111が270光年という太陽からも近い銀河系内の星団ですから、かみのけ座というのはまさに「宇宙の奥深さ」を感じることのできる星座です。
※双眼鏡は、倍率6〜10倍で口径30〜50mmを推奨します。