2010年8月の夜空†
今月の一番星は何?†
まだまだ、夕焼けの中に非常に明るく輝く宵の明星、金星(−4等)です。夕やけの中に金色の星が輝きを増していきます。ただし、光度はだんだん上がりますが、高度はだんだん下がっていきます。
夕空の見時†
日の沈んだ直後から、西空に明るい宵の明星、金星が輝き、夕空が暗くなるつれ、金星の近く(ちょっと上)に、赤い火星(2等)、金色の土星(1等)が見え始めます。西側がよく開けたところで探してみましょう。上旬には日没直後の地平線ぎりぎりに水星(0等)が出ています。西側に、何も障害物がないところで探してみましょう。13日(金)には、金星、火星、土星が集合したところに、三日月がやってきて、美しい眺めとなるでしょう。
金星は、7日(土)には土星に最も接近して追い抜き、19日(木)には火星に最も接近して追い抜いて行きます。土星は、金星、火星に取り残され、下旬には、見づらくなってしまいます。
秋に向けて、日没が早くなっていき、夕空が楽しみやすくなるでしょう。
- 13日(金)三日月が金星、火星、土星に接近します。
三日月はいつ?†
三日月は13日(金)、半月(上弦)は17日(火)、その間は西空に三日月形の月が見られます。晴れたら見てみてください。
今月の惑星†
まず、日が沈んですぐの宵の明星、金星(−4等)。
夕方に金星のすぐ左上で明るい赤い星、火星(2等)。金星は、だんだん火星に近づき、19日(木)には最も接近し、下側から追い抜いていきます。
金色の土星(1等)は、7日頃まで金星のすぐ左上、8日以降は金星の右上で、だんだん金星が離れていきます。下旬には、西空低くなり、見づらくなります。
21時頃には東の空から木星(−3等)が昇り、真夜中を過ぎてから南の空で輝きます。
今月の流星†
今月の8月12日(木)〜13日(金)は、ペルセウス座流星群が極大となります。
夏の風物詩、ペルセウス座流星群は、毎年、安定して活動してくれますので外れることがなく、月の大きさだけが(もちろん天候もですけど)、問題となるのですが、今年は、12日が月齢2で、午後7時半過ぎには月没となり、絶好の条件となりました。(天候だけが心配です。)
注意点は、
- 虫の多い季節ですので、虫に刺されないよう、虫除け対策を万全にしましょう。
- 首を痛めないよう、できれば寝転がって見られるようにしましょう。
- 空のどちらに飛ぶかわかりません。なるべくよく空が開けたところで、広く夜空を眺めましょう。
- 空が暗いほど、見られる可能性は増えます。知人、友人のお庭や、キャンプなどの宿泊施設など、暗くても安全な場所を確保し、真っ暗闇で安心して眺めましょう。
晴れたら、ぜひ、夜空を眺めてみてください。ペルセウス座流星群の流星は明るいものが多く、痕(こん)と呼ばれる「あと」を残すものもあります。今年は、きっと、流れ星を見ることが出来るでしょう。
見やすい星座†
夏の星座が見頃です。
東の空高く、夏の大三角の一等星、ベガ(こと座)、デネブ(はくちょう座)、アルタイル(わし座)が昇っています。大きな直角三角形の明るい星の並びを探してみてください。ちょっと上むきすぎて首が痛くなるくらいなので、気をつけて。
また、南の空には、赤い一等星アンタレスを含む、さそり座がS字の体をくねらせて昇っています。
東洋では、夏の大三角形のうち、こと座のベガが織姫星、わし座のアルタイルが彦星で、七夕の星です。この間を(はくちょう座のデネブを含み)天の川が流れ、さそり座のしっぽまで続いています。
街灯が周りにない暗い空で、透明度がよく、月もない時間には天の川が見えるかもしれません。
※ここでは、1等級(小数点以下四捨五入)とそれより明るい星を一等星と表記しています。星座をたどる場合、1等級とそれより明るい星をたとえ−1等級でも一等星と呼ぶことが多いです。星座を覚えやすく(説明しやすく?)するための慣例のようなものです。
見やすい(かも)天文現象†
- 3日(火)下弦
- 3日(火)以降20日(金)頃まで 夕方西空に火星、土星、金星が集合
- 5日(木)明け方の東天でプレアデス星団に月齢20の月が接近
- 10日(火)新月
- 12日(木)〜13日(金)ペルセウス座流星群極大(月齢2で条件は非常に良い)
- 13日(金)夕方西の空で、接近する金星、火星、土星に三日月が接近、大集合
- 17日(火)上弦
- 18日(水)アンタレス(1等)に上弦過ぎの月齢8の月が接近
- 19日(木)夕方西の空で金星(−4等)が火星(2等)に接近
- 25日(水)満月
- 27日(金)木星(−3等)に月齢17の月が接近
ちなみに9月は、
- 1日(水)スピカに月齢22の月が接近
- 2日(木)下弦
- 8日(水)新月
- 11日(土)夕方の西天で、金星(−5等)に三日月が接近
- 15日(水)上弦
- 19日(日)木星(−3等)が天王星(6等)の南49分を通過
- 20日(月)水星が明け方の東天で西方最大離角(高度も最も高くなり、今年一番の見やすさ)
- 22日(水)中秋の名月
- 23日(木)満月
- 23日(木)木星(−3等)に満月が接近
- 24日(金)金星(−5等)が最大光度(-4.6等)
双眼鏡、小望遠鏡のある人は†
- 7日(土)頃以降、月が昇るのが遅くなり、10日(火)の新月を挟んで三日月の13日(金)頃まで星雲星団、天の川の見頃となります。
- 13日(金)以降の三日月〜満月がきれいです。
- 先月から引きつづき、赤い火星と黄色みを帯びた土星が夕空で近づき、双眼鏡の視野に2つの星が同時に入るようになっています。元々明るい2星ですので、双眼鏡ではさらに色が強調され、美しい眺めとなるでしょう。晴れたら、双眼鏡を覗いてみてください。8月3日(火)からは金色で明るい金星も入ってきて、8月13日(水)くらいまでは、同一視野で楽しめそうです。なお、8月13日(水)には三日月もすぐ下に来ますので、双眼鏡を振って、楽しんでください。
8月14日(土)頃以降は、双眼鏡の視野から土星が外れますが、火星に金星が近づいていくのが楽しめます。19日(木)には、最接近し、今度は金星が火星を追い抜いていきます。
- 8月5日(木)夜半過ぎ、東の空で、月齢25の月とプレアデス星団(すばる)が接近しています。双眼鏡で見るのがちょうど良い現象です。逆三日月形の月と星団が同視野に見えます。
- 空が暗くなる20時頃には、天の川が北側のカシオペヤ座から東の空高くの夏の大三角を突き抜けて南のさそり座のしっぽ、いて座にかけて流れています。特に、夏の大三角の中、デネブを含むところからさそり座のしっぽにかけて、天の川の濃いところです。月がない夜は、天の川があまり見えなくても、双眼鏡でこの辺を適当に見てみてください。細かい星がたくさんあることに気づくでしょう。天の川がわかったら、ぜひ、双眼鏡で天の川下りをしてみてください。空にはこんなに星があるんだと驚かされるでしょう。また、細かい星のいろいろな並び方を発見するのも楽しいです。星図や解説本があるなら、星団や星雲にも挑戦してみてください。
- 地球より太陽に近い金星は、満ち欠けを起こしますが、今月は、20日(金)に東方最大離角となり、ちょうど半分に欠けた形となって、小さな望遠鏡でも形が丸ではないことがわかります。この機会に確認してみてください。
- 午後9時過ぎには木星(ー2等)が昇ってきます。今は、普通2本見える太い縞が1本になっているそうです。珍しい現象なので、夜遅いですが、挑戦してみてください。小口径の望遠鏡でも木星の縞が1本なのか2本なのかは確認できるはずです。
- 双眼鏡でこの木星を見ると、同視野に天王星があります。天王星は6等で、他の星と見分けがつかないかもしれません。ちょっと、青みがかった星なのですが、わかるでしょうか。
※双眼鏡は、倍率6〜10倍で口径30〜50mmを推奨します。
天文宇宙関連行事†
- 1日(日)〜7日(日)スターウイーク
- 2日(月)〜6日(土)筑波宇宙センターにて、「はやぶさ」カプセル一般公開
- 11日(水)〜14日(土)国立天文台「夏の夜、流れ星を数えよう」キャンペーン
- 16日(月)伝統的七夕
- 20日(金)〜22日(日)胎内星まつり
9月の主な行事
- 9月11日(土)〜10月10日(日)第2回東京国際科学フェスティバル
- 9月12日(日)宇宙の日
- 9月16日(木)以降 STS-133(ディスカバリー)打ち上げ
- 9月18日(土)International Observe the Moon Night
- 9月22日(水)中秋の名月
- 9月23日(木)秋分