2010年7月の夜空†
今月の一番星は何?†
先月同様、夕焼けの中に非常に明るく輝く宵の明星、金星(−4等)です。夕やけの中にすごくきれいな星が輝きを増していきます。ただし、高度はだんだん下がっていきます。
夕空の見時†
関東では、中旬頃まで梅雨ですが、下旬からは梅雨も明け、夏の観望の季節の到来です。晴れれば、夕焼けの中に明るい宵の明星、金星が輝き、夕空が暗くなるつれ、金星の斜め左上に、赤い火星(1等)、金色の土星(1等)が並び、金星の左下にはレグルス(1等)も並びます。互いの距離が近く、一直線に並ぶため、人目を引くでしょう。下旬には、日没直後の地平線ぎりぎりに水星(0等)が、これらの星の作る直線の延長上に現れ、高度を増してきます。この直線の下を三日月(14日)から6日の月(17日)が通り過ぎてゆき、美しい夕空になりそうです。また、25日(日)以降には、火星と土星がどんどん近づき、29日(木)から8月3日(火)にかけて、火星が土星を下から追い抜いていく様子が観望できます。
- 15日(木)、16日(金)4日の月、5日の月が金星、火星、土星に接近します。上記の通り、月が惑星の作る直線を通り抜けていきますが、特にこの2日は、圧巻の風景となるでしょう。
- 29日(木)〜8月3日(火)火星が高度を上げ、土星に接近、追い抜いていきます。金星もこの2星に近づき、夕方の西の低空で、面白い星の並びと、惑星が刻々と動いていく様子が観察できます。火星、金星の動きは意外と速いです。
三日月はいつ?†
三日月は14日(水)、半月(上弦)は18日(日)、その間は西空に三日月型の月が見られます。晴れたら見てみてください。特に今月は、惑星との競演が見事です。
今月の惑星†
まず、日が沈んですぐの宵の明星、金星(−4等)。
夕方に金星のすぐ左上で明るい赤い星、火星(1等)。暗くなるに従い、西に傾いていきます。
さらに火星のすぐ左上に金色の土星(1等)があります。
真夜中に東の空から木星(−2等)が昇り、明け方南東の空で輝きます。
見やすい星座†
そろそろ夏の星座が見頃となり夏到来です。
東の空には、夏の大三角の一等星、ベガ(こと座)、デネブ(はくちょう座)、アルタイル(わし座)が昇っています。大きな直角三角形の明るい星の並びを探してみてください。
また、南の空には、赤い一等星アンタレスを含む、さそり座がS字の体をくねらせて昇っています。
※ここでは、1等級(小数点以下四捨五入)とそれより明るい星を一等星と表記しています。星座をたどる場合、1等級とそれより明るい星をたとえ−1等級でも一等星と呼ぶことが多いです。星座を覚えやすく(説明しやすく?)するための慣例のようなものです。
見やすい(かも)天文現象†
- 4日(日)明け方の東の空で木星(−3等)に下弦の月が接近
- 10日(土)夕方西の空で金星(−4等)がしし座のレグルスに接近
- 12日(月)イースター島で皆既日食
- 15日(水)夕方西の空でレグルス、金星、火星、土星に、月齢4の月が接近
- 16日(木)夕方西の空でレグルス、金星、火星、土星に、月齢5の月が接近
- 22日(木)月齢11の月が、アンタレス(1等)に接近
- 29日(木)〜8月3日(火)夕方西の空で火星が土星に接近、火星が土星の下側で接近、追い抜く。
ちなみに8月前半は、
- 3日(火)以降20日(金)頃まで 夕方西空に火星、土星、金星が集合
- 5日(木)明け方の東天でプレアデス星団に月齢20の月が接近
- 12日(木)〜13日(金)ペルセウス座流星群極大(月齢3で条件は非常に良い)
- 13日(金)夕方西の空で、接近する金星、火星、土星に三日月が接近、大集合
双眼鏡、小望遠鏡のある人は†
- 6日(火)頃以降、月が昇るのが遅くなり、12日(月)の新月を挟んで三日月の14日(水)頃まで星雲星団の見頃となります。
- 14日(水)以降の三日月〜満月がきれいです。
- 赤い火星と黄色みを帯びた土星が下旬に夕空で近づきますが、22日(木)頃から双眼鏡の視野に2つの星が同時に入るようになりそうです。元々明るい2星ですので、双眼鏡ではさらに色が強調され、美しい眺めとなるでしょう。晴れたら、おりをみて双眼鏡を覗いてみてください。火星の動きの速さに驚かされるでしょう。8月3日(火)からは金色で明るい金星も入ってきて、8月13日(水)くらいまでは、同一視野で楽しめそうです。なお、8月13日(水)には三日月もすぐ下に来ますので、双眼鏡を振って、楽しんでください。
- 空が暗くなる20時頃には、天の川が東の空高くから南にかけて流れています。特に、夏の大三角の中、デネブを含むところからさそり座のしっぽにかけて、天の川の濃いところです。天の川があまり見えなくても、双眼鏡でこの辺を適当に見てみてください。細かい星がたくさんあることに気づくでしょう。天の川がわかったら、ぜひ、双眼鏡で天の川下りをしてみてください。空にはこんなに星があるんだと驚かされるでしょう。また、細かい星のいろいろな並び方を発見するのも楽しいです。星図や解説本があるなら、星団や星雲にも挑戦してみてください。
- 地球より太陽に近い金星は、満ち欠けを起こしますが、今月は、半月のような形になり、小さな望遠鏡でも形が丸ではないことがわかります。この機会に確認してみてください。
- 未明には木星(ー2等)が見えてきます。今は、普通2本見える太い縞が1本になっているそうです。珍しい現象なので、朝早いですが、挑戦してみてください。小口径の望遠鏡でも木星の縞が1本なのか2本なのかは観望できるはずです。
※双眼鏡は、倍率6〜10倍で口径30〜50mmを推奨します。
天文宇宙関連行事†
- 7日(水)七夕、七夕ライトダウン(ライトダウンキャンペーン2010)
- 19日(月)海の日
- 20日(火)関東地方梅雨明け平年
8月前半は、
- 1日(日)〜7日(日)スターウイーク