2010年12月の夜空†
今月の一番星は何?†
今月も東天の木星(−3等)です。日没と同時に、南の空高く、金色に輝く木星がまぶしいくらいに輝きだします。
夕空の見時†
南の空に輝く木星(−3等星)に、圧倒されます。
しかしとにかく、21日(火)の皆既月食が圧巻でしょう。
皆既月食†
12月21日(火)、夕方の東北東の空で、皆既月食が見られます。
今回は、月が欠けた状態で月が昇り(「月出帯食(げっしゅつたいしょく)」といいます)、関東では、月の出直後から皆既食が始まります。皆既食が終わるのは高度15度ほどのところですので、東側のよく開けたところ(できれば地平線が見える場所)で観察しましょう。月食の終わりも高度30度以下になります。
時刻 | 状態 | 水戸での高度 |
16時40.4分 | 皆既食の始め | 3.0° |
17時17.0分 | 食の最大 | 9.3° |
17時53.6分 | 皆既食の終わり | 16.0° |
19時01.7分 | 食の終わり | 28.8° |
20時06.1分 | 半影食の終わり | 41.3° |
※水戸の月の出は16時18.8分
夕方の見やすい時刻ですので、ぜひ、機会を逃さず、みんなで観望しましょう。(当日、晴れますように。)
今月の流星†
12月14日(火)ふたご座流星群が極大となります。
毎年、はずれなしに活発な活動を見せる「ふたご座流星群」、今年は、12月14日(火)午後8時頃に極大(最も多く流れる)となると予想されています。この時間には、上弦過ぎの月が明るく、見づらいかもしれませんが、明るい流星もありますので、透明度がよくなることを期待しつつ、空を眺めてみましょう。なお、月没は翌15日(水)午前0時半頃ですので、それから夜明けまで、絶好の機会となります。
三日月はいつ?†
三日月は8日(水)、半月(上弦)は13日(月)、その間は西空に三日月形の月が見られます。晴れたら見てみてください。
今月の惑星†
日没後から、南南東の空高く、明るく金色に輝く木星(−3等)が見え始め、午後7時頃には真南にきますが、午後11時には沈んでしまいます。そろそろ木星も見頃を過ぎてきます。
また、明け方東の空の金星(−4等)は、高度をぐっと増し、非常に見やすく明るくなってきます。12月4日には最大光度(-4.7等)となり、1月に向け、高度を上げていきます。
土星も午前3時頃には東の空に昇ってきて、明け方には南東の空で0.9等で輝いています。火星は、引き続き、見かけ上、太陽に近く、見づらい状態が続きます。
見やすい星座†
夏の大三角は西の空に沈み、東からはオリオン座を始めとして冬の星座が昇ってきます。
午後8時頃、わかりやすいWの星の並び、カシオペヤ座が北の真上に昇り、明るい星の多い秋の天の川(カシオペヤ座からペルセウス座にかけて)が北の高い空から東にかけて流れます。北東の空には冬の星座、ぎょしゃ座の明るい金色の一等星、カペラがよく目立ちます。
寒い季節ですが、星座は、まだ秋です。W字のカシオペヤ座や、三ツ矢のマークの星の並びを持つみずがめ座、台形の並びのペガスス座など、秋の星座がまだ空高くあがっています。
見やすい(かも)天文現象†
- 1日(水)明け方の東天で土星に月齢25の月が接近
- 3日(金)明け方の東天で金星に月齢27の月が接近
- 4日(土)金星最大光度(−4.87等)
- 6日(月)新月
- 13日(月)上弦
- 14日(火)ふたご座流星群極大(月没は翌15日0:30頃、月齢8)
- 21日(火)満月、皆既月食(月の出に皆既開始)
- 24日(金)木星に月齢9の月が接近
- 28日(火)下弦
- 29日(水)未明の東天で土星に月齢24の月が接近
ちなみに2011年1月は、
- 2日(日)夕方の南西の空で木星と天王星が接近
- 3日(月)明け方、南東の低空で月齢29の細い月の北に水星が並ぶ(水星の道しるべ)
- 4日(火)朝、しぶんぎ座流星群が極大(新月で条件最良)
- 4日(火)新月
- 9日(日)明け方の東の空で、金星(−4.4等)が西方最大離角(水星も西方最大離角)
- 12日(水)上弦
- 15日(土)23時頃、西の空でプレアデス星団に月齢11の月が接近
- 20日(火)満月
- 24日(金)木星に月齢9の月が接近
- 26日(水)下弦
双眼鏡、小望遠鏡のある人は†
- 1日(水)頃以降、月が昇るのが遅くなり、6日(月)の新月を挟んで、9日(木)頃まで星雲星団、天の川の見頃となります。
- 8日(水)の三日月〜21日(火)の満月がきれいです。
- 20時頃の、カシオペヤ座からペルセウス座にかけての秋の天の川が北の空高くに流れ、さらに見やすくなります。天の川の中でも肉眼で見える星が多く、双眼鏡で見ると、細かい星の流れの中にたくさんの宝石が輝いているように見えます。ぜひ、カシオペヤ座からその下の方のペルセウス座まで、双眼鏡で流して見てみてください。
カシオペヤ座とペルセウス座の間に、ふたつの散開星団が寄り添う「二重星団」があり、見頃です。双眼鏡で美しい対象ですので、ぜひ探してください。非常に暗い空で、透明度がよければ、肉眼でも見ることができます。
ペガススの四辺形からたどる、アンドロメダ座のひざ頭には、「アンドロメダ座銀河(M31)」があります。これも双眼鏡で見ることができます。ただし、よく写真で見るようなはっきりしたものではなく、薄い光のシミのようなかすかなものです。230万光年とも270万光年ともいわれる遠い距離が感じられます。目に入った光の粒はこれだけの時間を経て、地球に達した訳です。
- 日没から木星(−3等)が輝き、引き続き、木星を見る好機です。普段2本見える太い縞が1本に減っていますが、11月初めに、縞が回復する前兆現象が観測され、3ヶ月ほどで回復すると考えられています。その様子をぜひ確認しましょう。小口径の望遠鏡で木星の縞が2本に見えるのは、いつからでしょう。
- 21日(火)の皆既月食は、双眼鏡で見るとその色がよくわかります。東の低い空での現象ですが、ぜひ、確認してみてください。その年の高層大気の状態で皆既食中の月の色が変わるといわれています。色鉛筆でスケッチをする人もいます。
※双眼鏡は、倍率6〜10倍で口径30〜50mmを推奨します。
天文宇宙関連行事†
- 12月 3日(金)〜12日(日)「あかつき」の金星を見よう!キャンペーン〜「明けの明星」は「昼間の星」〜
- 12月 7日(火)金星探査機「あかつき」、金星軌道に投入
- 12月13日(月)〜16日(木)明け方 国立天文台「ふたご座流星群を眺めよう」キャンペーン
- 12月17日(金)以降 スペースシャトル「ディスカバリー」(STS-133)最終打ち上げ
- 12月21日(火)国立天文台「皆既月食を観察しよう」キャンペーン
- 12月22日(水) 8:38 冬至
- 12月22日(水)Seasons Without Borders 2010年 冬至
- 12月22日(水)20:00〜22:00 100万人のキャンドルナイト
2011年1月の主な行事
- 1月20日(木)15:29頃 H-IIBロケットによるHTV2号機打ち上げ