(星図は10月15日午後8時頃の様子です)
今年もまた,日中は晴れているのに夕方になると曇るような天気の日が多く,秋に入っても不安定な天候が続いていますね.それだけに,久しぶりに晴れ上がった夜には吸い込まれそうになるほど美しい星空に出会えるかもしれません.10月にもなると夜はだいぶ寒くなるので,充分に暖かい服装で今月も元気に星を見にでかけましょう!
夏の大三角はいよいよ西に傾き始めました.かわって,東の空には秋の星座たちが上ってきています.北東の空を注意深く見てみましょう.ローマ時の「W」または「M」の形に並んだ星々が見つかりましたか?おなじみカシオペア座,古代エチオピア王国の王妃の姿です.カシオペア座の南側にはカシオペア王妃の娘アンドロメダ姫の緩やかなカーブがあります.このカーブを上向きにたどっていくと,その先には天馬ペガスス*1の四辺形も見つかります.アンドロメダ座のカーブとペガススの四辺形がつながっているところにある二等星,名前を「アルフェラッツ」といいます.なにやらかっこいい名前ですが,実は「馬のへそ」という意味です.まぁペガススのへそにあたるわけですが,同時にアンドロメダ姫の頭でもあるわけで,美しいお姫様の頭が「馬のへそ」だなんて,ちょっと可哀想ですね.
四辺形が見つかったらその下を探してみましょう.明るい星が一つ見つかりましたか?星座としてはなじみがありませんが,「みなみのうお座」という星座の一等星「フォーマルハウト(魚の口という意味)」です.秋の星座の中には一等星がフォーマルハウトだた一つだけで,秋は夜空もやっぱり寂しげです.澄み切ったちょっと寂しげな星空の下,虫の声を聞きながらゆっくりともの想いにふける,そんな「秋の夜長」の過ごしかたはいかがでしょうか?