*4月の星空 (編集中) [#s297f233]
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*4月の星空 [#s297f233]
(星図は4月15日午後8時30分頃の様子です)
#ref(Apr.jpg,nolink,3月の星空)
#ref(Apr.jpg,nolink,4月の星空)
RIGHT:This chart was created with [[&ref(5月の星空/xplns.jpg,nolink,xplns);:http://www.astroarts.co.jp/products/xplns/index-j.html]].

~梅の花も咲き,すっかり春になってきました(暖冬だった今年は,2月下旬に「この冬一番の冷え込み」があったりもしましたが).花粉症の方,調子はいかがですか?
~夜もだいぶ暖かくなり,星を見るにも楽にはなってきたのですが,これからしばらくは「春霞」のせいで澄んだ星空に出会う回数はだいぶ減ってしまいます.今年は特に,冬の間でさえ澄んだ星空になかなかめぐりあえませんでしたから,なおさら心配です.それでも,日が沈む頃,西の空の赤さと頭上の空の青さが鮮やかな日は綺麗な星空になることが多いので,そんな日を逃さないように今月も元気に星を見にでかけましょう.
~日が暮れたらすぐ空を見てみましょう.とっても明るい星が輝いています.&color(green){宵の明星};,&color(red,lightgrey){金星};です.[[先月>2月の星空]]あたりから見頃になっていた&color(red,lightgrey){金星};は6月9日の東方最大離角((地球から見て太陽から東側に最も大きく離れて見えること.水星と金星は地球の内側を回っていて,いつも太陽の近くに見えるため,この“東方最大離角”の時か,逆に西側でもっとも離れて見える“西方最大離角”の時が最も見やすい))に向けて夕空の中でどんどん高度を上げ,さらに目立つようになっています.日が沈む頃になったらだれが一番早く&color(red,lightgrey){金星};を見つけられるか競争してみるのも面白いものですよ.
~冬の間夜空に君臨した星座の王様「&color(red){オリオン座};」も西に傾き,春霞のせいでその輝きも目立たなくなってきました.今度の夜空の主役は北の空,&color(green){北斗七星};です.この&color(green){北斗七星};,実は&color(red){おおぐま座};の一部,くまのお尻からしっぽの部分です.星が綺麗に見えている夜は是非&color(red){おおぐま座};の全体を探してみてください.その大きさにきっとびっくりするでしょう!「&color(red){おおぐま};」と呼ばれるだけあって,本当に大きな星座なのです.
~新年度がはじまりました.桜をはじめ,色とりどりの花が咲く季節でもあり,1年中で一番華やかに感じる季節でもありますね.ところが,夜空の方は星座の王様&color(red){オリオン座};をはじめとする華やかな&color(blue){冬の星座};たちが西に去り,春霞でなんとなく眠たい空で,ちょっとさびしい季節です.でも,望遠鏡を使えば,1年中で最も遠くまで見通せる(実はこの季節だけ&color(green){天の川};が見えないのです.そのおかげで,近くに障害物が少なく,はるか数千万光年の宇宙を見ることができるのです)季節なのです.もう寒さを我慢しなくても星を眺められますから,今月も元気に星を見にでかけましょう!
~日が暮れたら頭の真上をよく見てみましょう.「&color(green){?};」マークを逆向きにしたような星の並びを見つけられますか?この星の並びを「&color(green){ししの大鎌};」と呼び,ちょうど&color(red){しし座};のたてがみにあたります.今年はこの&color(green){ししの大鎌};の近くには&color(red,lightgrey){土星};も見えていて,いつもの年に比べるとなんとなく賑やかです.
~&color(red){しし座};から東側が&color(blue){春の星座};です.&color(red){しし座};の北側には見つけやすい「&color(green){北斗七星};」があります.&color(green){北斗七星};は&color(red){おおぐま座};の一部ですが,機会があったら是非&color(red){おおぐま座};全体を探してみてください.きっとその大きさに感動しますよ.

#ref(M44_070215.jpg,right,wrap,around,nolink,プレセペ星団)
頭の真上には名前だけ有名な「&color(red){かに座};」が見えます.ところが,この「&color(red){かに座};」,&color(blue){誕生星座};でおなじみ&color(green){黄道12星座};の中で最もみつけにくい星座なのです.&color(blue){星座神話};では,勇者&color(red){ヘラクレス};((星座の名前としては&color(red){ヘ};&color(navy){''ル''};&color(red){クレス};と呼ぶことが多いのですが,もともとこの英雄の名前はギリシャ神話中では“Ηρακληζ”と綴り,&color(red){ヘ};&color(navy){''ラ''};&color(red){クレス};に近い発音です.星座の名前としては“Ηρακληζ”のラテン語綴り“Hercules”の読みを使うために&color(red){ヘ};&color(navy){''ル''};&color(red){クレス};となる訳ですが,ここでは英雄の名前ですからもともとの&color(red){ヘ};&color(navy){''ラ''};&color(red){クレス};と記述しています.とは言え,もともと外来語を日本語の発音に無理矢理あてはめている訳ですから,みなさんは呼びやすい方で呼んでください.))を倒すために放たれた刺客だったのですが,&color(red){ヘラクレス};にあっさりと踏み潰されたかわいそうな&color(red){カニ};です.&color(blue){星座神話};上,もっとも情けない動物で,星座を形づくる星も暗いものばかり...夜空の明るい都市部ではほとんど見ることができません.慣れた人でも見つけるのに苦労する&color(red){かに座};ですが,その真中には&color(blue){「プレセペ星団」};(写真)と呼ばれる美しい星団があります.少し暗めですが,双眼鏡でも20個くらいの星が集まっている姿を楽しむことができます.機会があったら,20倍程度の望遠鏡で眺めるのも面白いでしょう.
#ref(Mel111.jpg,left,wrap,around,nolink,かみのけ座の散開星団Mel.111)
今度はちょっと目立たない星座も探してみましょう.&color(green){北斗七星};の柄のはじっこの星(&color(blue){アルカイド};)と,柄をのばしていって見つかる明るい星,&color(red){うしかい座};の&color(blue){アークトゥルス};を線でむすび,それを底辺としてちょっとくずした2等辺三角形の頂点あたりをよく見てみましょう.暗い星が集まって見えるはずです.これはMel.111(メロット111番,写真)とよばれる&color(blue){散開星団};なのですが,実はこれそのものが&color(red){かみのけ座};(正しくは「&color(red){ベレニケのかみのけ座};((星座の学問上の名前「学名」では“&color(red){Coma Berenices};”「&color(red){ベレニケ};(紀元前3世紀頃の実在の人物)&color(red){のかみのけ座};」です.)))なのです.暗い星々が「ふわっ」と集まった感じが女性の髪の毛を連想させたのではないかと言われています.&color(blue){Mel.111};は肉眼でも見えますが,双眼鏡で眺めると視野いっぱいに星が散らばっていて,その美しさは時間のたつのを忘れさせてくれます.是非一度試してみてください.

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#ref(1月の星空/Sat.jpg,left,wrap,around,nolink,2006年1月7日の土星)
#ref(土星〜2007年3月17日/Sat_070317.jpg,right,wrap,around,nolink,2007年3月17日の土星)
~文字通りの大スター,&color(red,lightgrey){土星};が早い時間でもだいぶ高く昇るようになってきました.春霞でやや眠たいような空になってしまうことが多いこの季節ですが,冬に比べて上空の気流が安定しますから,望遠鏡で見た&color(red,lightgrey){土星};の姿は実はこれからの方が「きりっ」と締まって見えます.&color(red,lightgrey){土星};程の明るさがあればやや薄もやがかかっているような夜でも充分見え,実はそんな天気の日の方が細かい所まで良くみえたりすることもあります.望遠鏡で拡大して見る時は,上空の気流の具合が強く影響しますから,チャンスがあれば何度も見てみてください.うまく気流が安定している時に見ることができれば,環の外側にある細くて黒い筋,「カッシーニの隙間」や,環に写る&color(red,lightgrey){土星};本体の影等も見ることができ,美しく,そして興味深い姿を堪能することができます.

RIGHT:Y-Nakagawa



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