*2016年11月の夜空 [#e4fd7794] [[2016年天文現象、行事メモ]] **今月の一番星は何? [#d8a03580] ~南西の低空に金色に輝く&color(red){金星};(−4等) ~(日没は、茨城付近では、午後4時半前後となります。) **夕空の見時 [#mddbd37d] ~宵の明星、&color(red){金星};(−4等)が夕方の低空で金色にまばゆく輝いています。また、10月30日に金星に追い越された&color(red){土星};(0等)が、日没後の西南西の空に退いていき、すぐに沈むようになります。南に赤く輝く&color(red){火星};(1等)に向けて、&color(red){金星};(−4等)が近づいていき、高度を上げていきます。これらの惑星の間を夕方の細い月が通っていきます。2日(水)には三日月と土星、金星が日没後の低空で横に一直線に並び、3日(木)には4日の月が上に来て三角形になり、4日(金)、5日(土)と三日月型の月が金星と火星の間に来て、6日(日)には火星のすぐ上に来ます。~ 11月15日(火)には、夕方から夜半を過ぎ翌16日(水)未明まで、月齢16の満月過ぎの月がヒアデス星団の星々を隠し、夜半過ぎの2時半前には、おうし座の一等星、アルデバランを隠します。 -11月2日(水)日の入り後の南西の空で、三日月(月齢2.8)が土星に接近、金星、土星、月が横一直線に並ぶ -11月3日(木)日の入り後の南西の空で、月(月齢3.8)、金星、土星が三角形に並ぶ(月が上) -11月4日(金)日の入り後の南西の空で、月(月齢4.8)が金星と火星の間に入る -11月5日(土)日の入り後の南西の空で、月(月齢5.8)が金星と火星の間に入る -11月6日(日)日の入り後の南西の空で、月(月齢6.8)が火星に接近 -11月8日(火)夕方の南西の空で、火星がM75球状星団に接近 -11月15日(火)夕方から夜半の空で、月(月齢15.8)がヒアデス星団の星を次々隠す --おうし座γ星 東京で、18:16明縁潜入、19:09暗縁出現 **三日月と満月 [#k7bc1099] ~&color(red){三日月は2日(水)};、半月(上弦)は8日(火)で、2日(水)〜7日(月)は、西空に三日月形の月が見られます。&color(red){満月は14日(月)};("Beaver Moon", "Frosty Moon"、または、Full Beaver Moon(別名:Frosty Moon, Frost Moon)ビーバー・ムーン)です。また、今月の満月は今年3回あるスーパー・ムーンで、今年最も地球に近く大きな満月です。地球までの距離は、356509kmで68年ぶりの近さとなります。次にこの距離まで近づくのは18年後です。視直径 34.0分となります。 **今月の惑星 [#rc452169] -&color(red){火星};(1等)は、南の空に昇っていて、午後9時ごろに南西の空に沈みます。 -&color(red){金星};(−4等)は、日の入り直後の南西の低空に現れ、午後6時すぎ〜午後7時ごろに南西の空に沈みます。 -&color(red){土星};(0等)は、南西の低空に昇っていて、上旬は午後6時ごろに、中旬には、午後5個ごろには沈み、下旬には低くなりすぎて、太陽に近くなり見辛くなります。 -木星(−2等)は、午前4時ごろ〜午前2時半前に東の空に昇ってきます。 -水星(−1等)は、日没直後の超低空で見え始め、12月11日(日)の東方最大離角に向け、高度を上げていきます。 -夕方の南の空に、&color(red){火星};(0等)が昇っており、日の入り後の南西の低空に&color(red){金星};(−4等)、&color(red){土星};(1等)が昇っています。&color(red){金星};(−4等)は土星から離れ、火星に近づいていきます。 **見やすい星座 [#ndda5360] ~ 南の空高く、天頂付近に、2等星ばかりですが、秋の四辺形こと、ペガスス座が昇り、その南側には三ツ矢の形の星列が特徴のみずがめ座、暗い星ばかりで分かりづらいですが、ペガススを取り巻くように、うお座と、秋の星座が真南に来ます。ペガススの四辺形からはアンドロメダ座が伸び、北の高い所にはW字でおなじみのカシオペヤ座があって、その近くにはペルセウス座があります。星空は秋の色が濃くなっています。~ **今月の星食 [#c416e1f8] 星食とは、星の手前を月が通り過ぎて、星を隠してしまう現象です。難しい言葉で掩蔽ともいいます。11月15日(火)〜16日(水)にかけて、月齢16の満月すぎの月がヒアデス星団の星々の手前を次々と通り過ぎ、隠していきます。東京付近では、16日午前2時半前には、おうし座の1等星、アルデバランが、月の明るい側に隠され、午前3時半前には、月のわずかにかけた側から出てきます。観望には、少なくとも双眼鏡が必要です。 -おうし座γ星(3.7等)星食(東京での時刻) 15日 18:16 明縁潜入 19:09 暗縁出現 -アルデバラン(おうし座α星 0.9等)星食(東京での時刻) 16日 02:23 明縁潜入 03:27 暗縁出現 **天文現象と関連行事 [#l6f05a7e] -11月2日(水)15:20 [[静止気象衛星「ひまわり9号」>https://www.mitsubishielectric.co.jp/society/space/satellite/observation/himawari8-9.html]]、[[H-IIAロケット>http://www.jaxa.jp/projects/rockets/h2a/index_j.html]]31号機により打ち上げ ([[応援サイト>http://fanfun.jaxa.jp/countdown/himawari/]]、[[ライブ中継>http://fanfun.jaxa.jp/countdown/himawari/himawari9_live.html]]) -11月2日(水)三日月 -11月2日(水)日の入り後の南西の空で、三日月(月齢2.8)が土星に接近、金星、土星、月が横一直線に並ぶ -11月3日(木)日の入り後の南西の空で、月(月齢3.8)、金星、土星が三角形に並ぶ(月が上) -11月4日(金)日の入り後の南西の空で、月(月齢4.8)が金星と火星の間に入る -11月5日(土)[[Boys Night Out>http://www.sidewalkastronomers.us/id379.html]] 星の男子会 by [[The sidewalk astronomers>http://sidewalkastronomers.us/]] -11月5日(土)日の入り後の南西の空で、月(月齢5.8)が金星と火星の間に入る -11月6日(日)日の入り後の南西の空で、月(月齢6.8)が火星に接近 -11月8日(火)上弦 -11月8日(火)夕方の南西の空で、火星がM75球状星団に接近 -11月14日(月)満月("Beaver Moon", "Frosty Moon"、または、Full Beaver Moon(別名:Frosty Moon, Frost Moon)ビーバー・ムーン)スーパー・ムーン。今年最近、距離356509kmで68年ぶりの近さ、視直径 34.0分 -11月15日(火)夕方から夜半の空で、月(月齢15.8)がヒアデス星団の星を次々隠す --おうし座γ星 東京で、18:16明縁潜入、19:09暗縁出現 -11月16日(水)未明の南西の空で、月(月齢16.0)がアルデバランを隠す(東京で、2:23明縁潜入、3:27暗縁出現) -11月16日(水)GOES-R(アメリカ第4世代気象衛星)Atlas V 541 ロケットにて打ち上げ -11月18日(金)05:20 [[ISS第50/51次長期滞在>http://www.nasa.gov/mission_pages/station/expeditions/expedition50/index.html]]要員を乗せた[[ソユーズMS-03>https://en.wikipedia.org/wiki/Soyuz_MS-03]]打ち上げ -11月20日(日)〜30日(水)[[GLOBE at Night>http://www.globeatnight.org/]](対象:ペルセウス座)[[日本語サポートページ>http://idatokyo.org/gan/index.html]] [[日本語Webアプリ>http://www.globeatnight.org/jp/webapp/]](スマホでも使えます。) -11月21日(月)下弦 -11月22日(火)未明の南東の空で、月(月齢22.8)がレグルスに接近 -11月25日(水)明け方の南東の空で、月(月齢25.8)が木星に接近(木星の上に月) -11月29日(木)新月 **双眼鏡、小望遠鏡のある人は [#vfd91957] -下弦となる 10月23日頃から三日月となる2日頃、次の下弦の21日頃から三日月となる12月1日まで、星雲星団、天の川の見頃となります。 -北東の空にカシオペヤ座とペルセウス座が昇ってきます。カシオペヤ座とペルセウス座は秋の天の川に浸っています。特にペルセウス座は、3等、4等の星と、天の川の細かい星が両方見え、細かいの星の中に明るい星が宝石のように浸っているような見え方です。ぜひ、双眼鏡で、ペルセウス座の天の川の宝石を見てみてください。 -カシオペヤ座とペルセウス座の間には、二つの散開星団が仲良く寄り添う二重星団(hχ)があります。非常に条件の良い空では、肉眼でも淡いぼーっとした綿ぼこりのように見えますが、双眼鏡で見ると、まばらで細かな星の集団が二つ隣り合っているのがわかります。双眼鏡でぜひ見てもらいたい対象です。 -アンドロメダ座の膝頭の上のところにあるアンドロメダ銀河(M31)は、双眼鏡で見るのが、最も綺麗な対象です。ぜひ、月のない透明度の良い日に良い環境の空で眺めてみてください。非常に美しい画像が有名ですが、非常に淡いので、真ん中の明るい部分がかすかにわかれば、まずまずです。慣れれば、双眼鏡の視野の半分近くを占める巨大な系外銀河がわかってきますが、これには長年にわたる”修行”が必要です。なお、条件が良ければ、肉眼でも見える対象です。天の川が見えるような夜には、こちらにも挑戦してみてください。肉眼で見える、250万光年かなたの天体です。 ~※双眼鏡は、倍率6〜10倍で口径40〜50mmを推奨します。