*5月の星空 [#te80c79f]
(星図は5月15日午後8時30分頃の様子です)
#ref(May.jpg,nolink,5月の星空)
RIGHT:This chart was created with [[&ref(./xplns.jpg,nolink,xplns);:http://www.astroarts.co.jp/products/xplns/index-j.html]].

若葉が薫る季節になってきました.日中はまだ暑くもなく,夜も寒くもなく,一年中で一番すごしやすい季節かもしれませんね.

#ref(Jup_040221.jpg,right,wrap,around,nolink,ふれあいの里天文台で撮影した木星.本体に見える黒い点はガニメデの影)
私たちの目を楽しませてくれた人気者「&color(red,lightgrey){土星};」の見ごろはいよいよ終わりです.まだ西の低空には見えていますが,望遠鏡で見てもなんとか「わっか」があることがわかる程度になってしまいました.今,夜空で最も目立つ星は&color(red,lightgrey){木星};です.こちらはいよいよ一番の見ごろですので,機会を見つけてしっかりと見ておきましょう.

頭の上やや北よりには&color(green){北斗七星};が見えています.そしてひしゃくの柄の部分のカーブをずっと伸ばしていけば&color(red){うしかい座};の1等星&color(blue){アークトゥルス};が,もっと伸ばせば&color(red){おとめ座};の&color(blue){スピカ};がみつかります.この大きな大きなカーブを「&color(green){春の大曲線};」とよび,&color(green){春の星座};めぐりの目印にします.

ここであまり有名ではないけれどわかりやすく,面白い星座,「&color(red){からす座};」と「&color(red){かんむり座};」を紹介しましょう.

&color(red){おとめ座};の南にいびつな四角形の星の並びを探してみましょう.4つとも暗い星なのですが,探してみれば意外にも簡単に見つかり,一度見つけると結構印象に残る星座です(ちなみにこれを書いている筆者は居眠りをしている時に夢で見たことがあります).この四角形の星の並びが「&color(red){からす座};」です.人間の言葉を話せるりこうなカラスでしたが,うそをついた罰として,言葉を奪われ,空にさらしものにされたのが&color(red){からす座};です.このカラス,先に昇ってくる&color(red){コップ座};にいつまでたっても追い付けず,いくら喉が渇いていても&color(red){コップ};の水を飲むことができないのです.

もう一つの「&color(red){かんむり座};」ですが,こちらは&color(red){うしかい座};の東,今の季節なら&color(blue){アークトゥルス};の左下に,半分より少し回った小ぶりなカーブを描く星の並びが見えるはずです((ちなみに今年のゴールデンウィークの頃,この星座の近くに地球に接近している&color(red,lightgrey){[[シュワスマン・ワハマン第3周期彗星]]};のいくつかの核が見えています.)).この星の並びを見つけたら,その方向に向かって腕をまっすぐ伸ばしてみましょう.片目をつぶってこぶしが星のカーブの真ん中にくるようにして見てみてください.どうです?星たちが腕に巻き付いて見えるでしょう?この星座,神話の上ではディオニソス(お酒の神様でバッカスと同一)に妻として迎えられたクレタの王女アリアドネの冠なのですが,こうして見ると&color(red){かんむり座};というより&color(red){ブレスレット座};というところでしょうか...

RIGHT:Y-Nakagawa


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