*12月の星空(編集中) [#g09a9bc9]
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*12月の星空 [#g09a9bc9]
(星図は12月15日午後8時頃の様子です)
#ref(Nov.jpg,nolink,11月の星空)
RIGHT:This chart was created with [[&ref(12月の星空/xplns.jpg,nolink,xplns);:http://www.astroarts.co.jp/products/xplns/index-j.html]].
#ref(Dec.jpg,nolink,12月の星空)
RIGHT:This chart was created with [[&ref(5月の星空/xplns.jpg,nolink,xplns);:http://www.astroarts.co.jp/products/xplns/index-j.html]].

~だいぶ寒くなってきました.実を言うと,毎晩のように外で星を見ているような生活をしていると,この11月の寒さが年間で一番こたえます.まだ体が寒さに慣れていない上に,昼間は結構暖かいのに夜になると急に寒くなるからです.また,この時期に必要以上に暖かい支度をしてしまうと,もっと寒い12月や1月の寒さに耐えられなくなってしまうので,この時期は出来るだけ薄着で通しています.冬の美しい星空を堪能するために,&color(red){ここは我慢!};といったところです.
~寒さがだいぶ本格的になってきました.まだ昼間は暖かい日もありますが,そのような日こそ朝晩の冷え込みが厳しく感じるものです.でも,これから年を越して1月中旬頃までが年間を通して一番天候が安定する時期ですから,これを見逃す''テ''はありません.風邪をひかないように注意して,今月も元気に星を見にでかけましょう!
~星空のほうは冬本番はまだのようで,頭上から西側はまだ&color(green){秋の星座};たちです.ところが,この&color(green){秋の星座};たち,ちょっと元気がありません.この時期,&color(green){秋の星座};たちはエチオピアの王様&color(red){ケフェウス};もそのお后&color(red){カシオペア王妃};も二人の娘&color(red){アンドロメダ姫};も,&color(red){勇者ペルセウス};だってみんな横向きです.&color(red){天馬ペガスス};((ギリシャ神話に登場するこの羽の生えた馬はギリシャ語で“Πηγασοζ”と綴り,「ペガソス」に近い発音になります.“Πηγασοζ”をラテン語風に綴ると“Pegasus”となり,これが星座の学名(学問上での名前)で「&color(red){ペガスス};」に近い発音です.さらに“Pegasus”を英語風に読むと「&color(red){ペガサス};」となり,日本ではこの動物の名前として「&color(red){ペガサス};」の方が一般的ですが,ここでは学名のラテン語風の発音を重視して「&color(red){ペガスス};」と呼ぶことにします.もともと西洋の言葉を日本語の発音にむりやりあてはめているわけですから,みなさんは発音しやすい名前で呼んでください.))にいたっては頭を下にして墜落してしまいそうです.みんなちょっと苦しそうですよね.

~暗くなったら夜空を見上げてみましょう.そこは&color(green){秋の星座たち};のオンステージです.この季節の星座たちは少し特別です.なぜなら,そのほとんどはギリシャ神話の同じお話に登場するキャラクターばかりだからです.星座の図鑑などでは主に&color(green){ペガスス};((ギリシャ神話に登場するこの羽の生えた馬はギリシャ語で“Πηγασοζ”と綴り,「ペガソス」に近い発音になります.“Πηγασοζ”をラテン語風に綴ると“Pegasus”となり,これが星座の学名(学問上での名前)で「&color(red){ペガスス};」に近い発音です.さらに“Pegasus”を英語風に読むと「&color(red){ペガサス};」となり,日本ではこの動物の名前として「&color(red){ペガサス};」の方が一般的ですが,ここでは学名のラテン語風の発音を重視して「&color(red){ペガスス};」と呼ぶことにします.もともと西洋の言葉を日本語の発音にむりやりあてはめているわけですから,みなさんは発音しやすい名前で呼んでください.))&color(green){の四辺形};から&color(green){秋の星座};をたどる方法が紹介されていますが,筆者はあんまりおすすめしません.なぜなら,この&color(green){四辺形};は暗い星ばかりで見つけにくいからです.ここはひとつ,見つけやすい&color(red){カシオペア座};からたどってみましょう.その&color(red){カシオペア座};は頭の真上よりやや北よりに見えています.「&color(green){W};」または「&color(green){M};」の形の星の並びが見つかりましたか?&color(red){カシオペア座};は古代エチオピア王国の王妃の姿です.今の季節だと「&color(green){M};」に見えるでしょう.そこで,今度は「&color(green){M};」の上を探してみます.「&color(green){M};」の上に&color(green){やわらかいカーブを描く星の並び};があります.&color(red){カシオペア王妃};の娘&color(red){アンドロメダ姫};の姿です.この&color(green){カーブ};を頭の真上に向かってたどっていったところに&color(green){ペガススの四辺形};があります.&color(green){四辺形};はちょうど&color(red){ペガスス};の胴体の部分です.&color(red){アンドロメダ姫};が&color(red){おばけくじら};(暗い星ばかりで見つけにくいのですが,&color(red){ペガスス座};の南東の方向にある&color(red){くじら座};です)に襲われたとき,&color(red){勇者ペルセウス};を乗せて飛んできたのがこの&color(red){天馬ペガスス};です.&color(red){勇者ペルセウス};は&color(red){アンドロメダ姫};の足もと,カタカナの「&color(green){イ};を横にしたような星の並びです.&color(green){やわらかいカーブ};の&color(red){アンドロメダ座};にくらべ,どこか&color(green){ゴツゴツした星の並び};はたくましい勇者の姿にぴったりです.
~今年も&color(red){ふたご座流星群};の季節がやってきました.今年は12月14日の午後9時頃と,翌15日の午前2時頃,そして4時頃がピークと予想されています.今年もずっと天候は不順でしたが,[[8月>8月の星空]]の&color(red){ペルセウス座流星群};は月もなく快晴で,久しぶりに楽しむことができました.今回の&color(red){ふたご座流星群};も14日の夜は月が早々と沈み,一晩中好条件となります.ちなみに,&color(red){ふたご座流星群};は「あたらないけどはずれない」流星群といわれ,毎年,多い時で1時間に15から20個程度見ることができ,時々は「&ruby(かきゅう){火球};」と呼ばれるとても明るい流星も見えますので,今年も期待して見ることにしましょう.ただ,とっても寒い時期ですから,寒さ対策は充分に(&color(red){充分すぎるほど!};)してくださいね.

~この他に,暗い星ばかりで目立たない&color(red){ケフェウス座};(古代エチオピア王国の王様.実は神話中でもこの王様は頼りない王様で,星座になっても存在感が薄いようです)を加え,&color(green){秋の夜空};は全体がギリシャ神話の大きな物語絵巻なのです.
~その&color(red){ふたご座};ですが,今年はなんだか少し様子が違います.すぐ近くに明るいオレンジ色の星が輝いています.これは12月19日に地球に最接近となる&color(red,lightgrey){火星};です.最接近とは言え,2003年8月に最接近した時と比べるとずっと遠く,望遠鏡で見ても小さくしか見えないのですが,1等星がたくさん輝く冬の星座の中でもとても存在感があります.その不気味なほどに赤く明るく輝く姿をしっかりと見ておきましょう.

~さて,12月と言えば「クリスマス」.ちょうどクリスマスの頃,日が沈んだら西の空を見てみましょう.&color(blue){十字架};が立っていませんか?実は暑い夏の頃,頭上に見えていた&color(red){はくちょう座};です.&color(red){白鳥};がくちばしを地面に突き刺して逆立ちしている姿だと見てしまうと何とも滑稽なので,ここは&color(red){はくちょう座};であることを忘れてしまいましょう!せっかくクリスマスなんですから,この&color(blue){十字の星の並び};を「ゴルゴタの丘の十字架」に見立てて,雰囲気を盛り上げてみませんか?

RIGHT:Y-Nakagawa


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