2018年9月の夜空†
2018年天文現象、行事メモ
※月齢は21時の値(こよみの計算 - 国立天文台暦計算室にて計算、未明の現象は前日の月齢とする)
今月の一番星は何?†
南西の超低空に輝く宵の明星、金星(−4等)。中旬からは、金星(−4等)、または、南西の木星(−2等)、または、南東の火星(−2等〜−1等)
(日没は、茨城付近では、午後6時ごろ〜午後5時半ごろとなります。)
夕空の見時†
日没後の南西の低空に宵の明星として君臨していた金星(−4等)も高度が非常に低くなり、南西の超低空となって、今月が見納めです。金星(−4等)は、21日(金)に最大光度 -4.8等と成りますが、いつもと違って高度が低く、見つけづらいかもしれません。西の空が見にくいところでは、金星よりも、南西の木星(−2等)、または、南東の火星(−2等〜−1等)が、一番星となるでしょう。空が暗くなっていくのと共に、これらを含む南西の空から南東の空にかけて、南西の超低空に金星(−4等)、南西の空に木星(−2等)、南の空に土星(0等)、南東の低空に大接近後の明るい火星(−2等〜−1等)と明るい惑星が見えてきます。夕方の空で、水星を除いた曜日の名のついた惑星、火、木、金、土星を一度に見ることができるのは今月までです。これらの惑星は、ほぼ一つの曲線、太陽の通り道「黄道(こうどう)」に沿って並んでいます。日が暮れていくと、1日(土)には、金星に非常に接近し、その後離れ、西の超低空になって見づらくなっていく、おとめ座の一等星スピカ(1等)、木星と土星の間にある、さそり座の一等星アンタレス(1等)も見えてきます。これらも黄道の近くにあります。
12日から20日まで、この並びを月が通っていきます。一度に月と火、木、金、土の曜日の惑星を見ることができます。
- 9月 1日(土)夕方の西の低空で、金星が、おとめ座のスピカに約1度まで接近(スピカの下に金星)、西の低空から南東の空に金星とスピカ、木星、アンタレス、土星、火星が並ぶ
- 9月12日(水)夕方の西の低空で、月(月齢2.7)がスピカに近づく(月の下にスピカ、左下に金星)、西の低空から南東の空にスピカと月と金星、木星、アンタレス、土星、火星が並ぶ
- 9月13日(木)夕方の西の低空で、月(月齢3.7)が金星と木星の間に入り、西の低空から南東の空にスピカ、金星、月、木星、アンタレス、土星、火星が並ぶ
- 9月14日(金)夕方の南西の低空で、月(月齢4.7)が木星に接近(離角:約4度、木星の上に月)、西の低空から南東の空にスピカ、金星、月と木星、アンタレス、土星、火星が並ぶ
- 9月15日(土)日没後の薄明中の南西の低空から南東の空に、金星、木星、月(月齢5.7)、土星、火星が並ぶ
- 9月16日(日)日没後の薄明中の南西の低空から南東の空に、金星、木星、月(月齢6.7)、土星、火星が並ぶ
- 9月17日(月)夕方の南の空で、月(月齢7.7)が土星に接近(土星の右に月)、南西の低空から南東の空に金星、木星、アンタレス、月と土星、火星が並ぶ
- 9月20日(木)夕方の南東の空で、月(月齢10.7)が火星に接近(火星の左上に月)、南西の低空から南東の空に金星、木星、アンタレス、土星、火星と月が並ぶ
- 9月21日(金)金星最大光度 -4.8等、日没時の高度:12度
三日月†
半月(上弦)は17日(月)08:15、三日月は12日(水)で、12日(水)〜16日(日)は、西空に三日月形の月が見られます。
- 25日(火)11:52
- アメリカの民間伝承による満月の名前(旧メイン州農暦によるブルームーン計算法)
- Hunter’s moon, Blood Moon, Sanguine Moon, Harvest Moon
- 現行アメリカ農暦(Farmers’ Almanac、Old Farmers’ Almanac 現在発行版)による満月の名前
- Full Corn Moon(別名:Barley Moon)コーン・ムーン
トウモロコシを収穫する頃の月
今月の惑星†
- 金星(−4等)は、日没後の南西の超低空に見え、日没直後の高度は10度台で、21日(金)には、最大光度 -4.8等となりますが、いつもと違い、高度12度と、探しづらいでしょう。
- 木星(−2等)は、日没時には、南西の空に昇っています。午後9時頃〜午後7時半頃沈みます。
- 土星(0等)は、日没時には、南の低空に昇っています。午前11時半頃〜午後10時頃沈みます。
- 火星(−2等〜−1等)は、日没時、南東の空に昇ってきます。7月31日(火)大接近後、明るさは、17日(月)-1.5等を切り、大きさは、6日(木)20秒を切ります。
- 水星(−1等)は、8月27日(月)に西方最大離角となって、日の出直前の高度が16度、光度が-0.2等となり、9月中旬まで見ることができます。
日没後の右(南西)の超低空の金星から、南の空を通って、左(南東)の低空にかけて、金星、木星、土星、火星と、一度に、水星を除く曜日の惑星、火、木、金、土星を見ることができます。これらの惑星と一等星は、太陽の通り道「黄道(こうどう)」に、だいたい沿っているので、黄道の通っているところがわかりやすくなっています。
中秋の名月†
暦Wiki/中秋の名月とは - 国立天文台暦計算室の表によると、
中秋の名月、十五夜は、24日(月)
以下、この日を旧暦8月15日として、逆算し、季語としての中秋の名月にまつわる月の名前を挙げます。
- 9月10日(月)初月(しょげつ)、初月夜(はつづきよ) 旧暦8月1日の月
- 9月11日(火)二日月 旧暦8月2日の月
- 9月12日(水)三日月、新月 旧暦8月3日の月
- 9月10日(月)〜14日(金)頃 夕月夜(ゆうづきよ)
- 9月23日(日)待宵(まつよい)、小望月(こもちづき) 旧暦8月14日の月
- 9月24日(月)名月、十五夜、望の月(もちのつき)、芋名月 旧暦8月15日の月 (満月?)
- 9月25日(火)十六夜(いざよい)、既望 旧暦8月16日の月 (満月?)
- 9月26日(水)立待月(たちまちづき) 旧暦8月17日の月
- 9月27日(木)居待月、座待月(いまちづき) 旧暦8月18日の月
- 9月28日(金)臥待月(ふしまちづき)、寝待月 旧暦8月19日の月
- 9月29日(土)更待月(ふけまちづき) 旧暦8月20日の月
- 9月29日(土)〜 宵闇 旧暦8月20日過ぎの月が出るまでの闇
- 10月 2日(火)二十三夜 旧暦8月23日の月
- 10月21日(日)十三夜、後の月、豆名月、栗名月 旧暦9月13日の月
- 11月17日(土)十日夜(とおかんや) 旧暦10月10日の月 とうかんや 狭山市公式ウェブサイト (現在も「とおかんや」行事を行っているところは、11月10日(土)に行うところも多い。十五夜、十三夜、十日夜|季節の行事|暮らし歳時記)
※参考:新改訂版俳諧歳時記 秋 新潮社編 新潮文庫
なお、満月は、25日(火)11:52 です。真夜中の月で考えると、24日の夜半、25日の00:00の月の方が、25日の夜半、26日の00:00の月よりも満月に近そうですし、一方、24日に昇り、25日の朝に沈む月の月没時刻は城里町で05:10、25日に昇る月の月出時刻は城里町で17:56 と、25日に昇る月の方が、満月の瞬時に38分近く、25日の方が満月に近いとも言えるかもしれません。今年は、実際に出ている月で考えると、24日を満月というべきか、25日を満月というべきなのか、微妙です。(24日が満月と言っても間違いではなさそうですが.....。)
一般的には、十五夜と満月は、最大で前後2日ほどずれる可能性があります。
これは、十五夜が新月を1日として15日目と機械的に決まる一方、実際の月は、軌道が楕円の上、その軌道の形が、微妙に変わっていくため、新月から満月になる時間が、13日間〜17日間と変化してしまうためです。
見やすい星座†
※宵の空(20時ごろの星空)での見え方です。
天頂に、はくちょう座の一等星デネブ、こと座の一等星ベガ、わし座の一等星アルタイルからなる夏の大三角形が昇っていて、空が真っ暗なところでは、そこに、天の川が流れているのが見えるはずです。天の川は、北東から天頂を通って南西まで、雄大に流れています。南西の空には、今年の空を賑わせている惑星が、西から、木星、土星、火星と並んでいますが、木星がそろそろ沈みかけています。木星がいるのが、てんびん座、木曜と土曜のあいだに一等星アンタレスがある、さそり座、土星がいるのが、いて座で、さそり座といて座の間に天の川が注いでいます。火星は、秋の星座、やぎ座にいて、木星、アンタレス、土星、火星は、太陽の通り道「黄道(こうどう)」にほぼ沿っています。天頂を通って大きく流れる天の川、惑星が道しるべとなっている黄道、天にある二つの大きな道を、ぜひ、暗い空で確認してみてください。
東の空には、秋の四辺形、ペガスス座が昇ってきていて、星座は、秋に移っていきます。
天文現象と関連行事†
- 9月初旬〜10月上旬 『宇宙の日』ふれあい月間
- 9月 1日(土)〜10日(月)GLOBE at Night(対象:北半球 はくちょう座、南半球 いて座)日本語サポートページ 日本語Webアプリ(スマホでも使えます。) スマートフォン用アプリ
- 9月 1日(土)夕方の西の低空で、金星が、おとめ座のスピカに約1度まで接近(スピカの下に金星)、西の低空から南東の空に金星とスピカ、木星、アンタレス、土星、火星が並ぶ
- 9月 3日(月)11:37 下弦
- 9月 3日(月)未明の東の空で、月(月齢22.1)が、おうし座のアルデバランに接近(アルデバランの右上に月)
- 9月10日(月)03:01 新月
- 9月10日(月)初月(しょげつ)、初月夜(はつづきよ) 旧暦8月1日の月
- 9月10日(月)〜14日(金)頃 夕月夜(ゆうづきよ)
- 9月11日(火)二日月 旧暦8月2日の月
- 9月12日(水)三日月、新月(季語) 旧暦8月3日の月
- 9月12日(水)宇宙の日
- 9月12日(水)夕方の西の低空で、月(月齢2.7)がスピカに近づく(月の下にスピカ、左下に金星)、西の低空から南東の空にスピカと月と金星、木星、アンタレス、土星、火星が並ぶ
- 9月13日(木)夕方の西の低空で、月(月齢3.7)が金星と木星の間に入り、西の低空から南東の空にスピカ、金星、月、木星、アンタレス、土星、火星が並ぶ
- 9月14日(金)夕方の南西の低空で、月(月齢4.7)が木星に接近(離角:約4度、木星の上に月)、西の低空から南東の空にスピカ、金星、月と木星、アンタレス、土星、火星が並ぶ
- 9月15日(土)日没後の薄明中の南西の低空から南東の空に、金星、木星、月(月齢5.7)、土星、火星が並ぶ
- 9月16日(日)日没後の薄明中の南西の低空から南東の空に、金星、木星、月(月齢6.7)、土星、火星が並ぶ
- 9月17日(月)08:15 上弦
- 9月17日(月)敬老の日
- 9月17日(月)夕方の南の空で、月(月齢7.7)が土星に接近(土星の右に月)、南西の低空から南東の空に金星、木星、アンタレス、月と土星、火星が並ぶ
- 9月19日(水)〜21日(金)日本天文学会秋季年会 兵庫県立大学 日本天文学会 年会
- 9月20日(木)夕方の南東の空で、月(月齢10.7)が火星に接近(火星の左上に月)、南西の低空から南東の空に金星、木星、アンタレス、土星、火星と月が並ぶ
- 9月23日(日)02:52:27(予備期間 9月12日(水)〜10月31日(水)) 宇宙ステーション補給機「こうのとり」7号機(HTV7)、H-IIBロケットにて打ち上げ ※JAXA | H-IIBロケット7号機による宇宙ステーション補給機「こうのとり」7号機(HTV7)の打上げ時刻について
- 9月23日(日)10:51 秋分
- 9月23日(日)待宵(まつよい)、小望月(こもちづき) 旧暦8月14日の月
- 9月24日(月)中秋の名月、名月(季語)、十五夜、望の月(もちのつき)、芋名月 旧暦8月15日の月
- 9月25日(火)11:52 満月
- アメリカの民間伝承による満月の名前(旧メイン州農暦によるブルームーン計算法)
- Hunter's moon, Blood Moon, Sanguine Moon, Harvest Moon
- 現行アメリカ農暦(Farmers' Almanac、Old Farmers' Almanac 現在発行版)による満月の名前
- Full Corn Moon(別名:Barley Moon)コーン・ムーン(トウモロコシを収穫する頃の月)
- 9月25日(火)十六夜(いざよい)、既望 旧暦8月16日の月
- 9月26日(水)立待月(たちまちづき) 旧暦8月17日の月
- 9月27日(木)居待月、座待月(いまちづき) 旧暦8月18日の月
- 9月28日(金)臥待月(ふしまちづき)、寝待月 旧暦8月19日の月
- 9月29日(土)更待月(ふけまちづき) 旧暦8月20日の月
- 9月29日(土)〜 宵闇 旧暦8月20日過ぎの月が出るまでの闇
- 9月30日(日)未明の南東の空で月(月齢19.7)がおうし座のアルデバランに接近
双眼鏡、小望遠鏡のある人は†
- 木星はそろそろ見納めです。双眼鏡でのガリレオ衛星の確認、挑戦してみてください。
- 下弦となる3日頃から三日月となる12日頃まで、星雲星団、天の川の見頃となります。
- 天の川が、天頂を通り、また、季節的にも空が澄んで、見頃です。天の川が見えなくても、この辺にありそうだというところを双眼鏡で覗いてみてください。意外に星がたくさん見つかり、天の川の存在を再認識するでしょう。
北東側のペルセウス座からW字のカシオペヤ座、はくちょう座のデネブを通って、夏の大三角の中を抜け、今年は土星がある、いて座まで、双眼鏡を流し見て、天の川下を楽しみましょう。川の流域それぞれで、微妙に見え方が違います。双眼鏡だからこそ楽しめる風景です。ぜひ、挑戦してください。
天の川には、星の集まり、散開星団や、球状星団、ガスの塊の散光星雲があちこちにあります。星図があれば、調べて、探してみましょう。ただし、ほんのわずかで非常にかすかで小さなホコリのような見え方ですので、街灯のない、まっ暗い空、雲が全くなく透明度の良い空、そして、淡いものを見慣れる熟練が必要です。
- ヘラクレス座の球状星団 M13は、西の空にあり、まだまだ見頃です。
- 秋の星座、ペガスス座の鼻先にある球状星団、M15、みずがめ座のα星とβ星とで、直角三角形を作り位置にある球状星団、M2は、双眼鏡でギリギリわかるかもしれません。挑戦してみましょう。
※双眼鏡は、倍率6〜10倍で口径40〜50mmを推奨します。
出典、参考†
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