2018年8月の夜空†
2018年天文現象、行事メモ
※月齢は21時の値(こよみの計算 - 国立天文台暦計算室にて計算、未明の現象は前日の月齢とする)
今月の一番星は何?†
西の低空に輝く宵の明星、金星(−4等)。
(日没は、茨城付近では、午後7時ごろ〜午後6時ごろとなります。)
夕空の見時†
日没後の西の低空に宵の明星となる金星(−4等)が昇り、一番星となります。日没時の金星の高度は、6月に最高高度29度となった後、ゆっくりと高度を落とし、8月18日(土)の東方最大離角の頃には、高度20度まで落ちます。金星は、9月まで、宵の明星として、西の夕空に君臨します。夕空には、日が沈んでいくとともに明るい惑星が見え始め、午後7時ごろには、西の低空に金星(−4等)、南西の空に明るい木星(−2等)、南南東の空に土星(0等)、南東の低空に大接近後の明るい火星(−3等〜−2等)が見えてきます。夕方の空で、水星を除いた曜日の名のついた惑星、火、木、金、土星を一度に見ることができます。これらの惑星は、ほぼ一つの曲線上に並びます。この曲線は太陽の通り道「黄道(こうどう)」です。日が暮れていくと、金星と木星の間にある、おとめ座の一等星スピカ(1等)、木星と土星の間にある、さそり座の一等星アンタレス(1等)も見えてきます。これらも黄道の近くにありますので、なんとなく太陽の通り道「黄道」の位置がわかるでしょうか。木星はてんびん座、土星はいて座、火星はやぎ座にありますので、おとめ座から、やぎ座までの星占いの星座にひとつは(おとめ座は金星とスピカのふたつ)1等星以上の星が輝いて、いつもより星座がわかりやすくなっています。
また、14日から23日まで、この並びを月が通っていきます。一度に月と火、木、金、土の曜日の惑星を見ることができます。
- 8月14日(火)夕方の西の低空で、月(月齢3.1)が金星に近づき(金星の右上に月)、西の低空から南東の低空に月、金星、スピカ、木星、アンタレス、土星、火星が並ぶ
- 8月15日(水)夕方の西の低空で、月(月齢4.1)が金星に近づき(金星の左上に月)、西の低空から南東の低空に金星、月、スピカ、木星、アンタレス、土星、火星が並ぶ
- 8月15日(水)夕方の南西の空で、木星が、二重星、てんびん座α星(2.8等)に約30分まで接近(望遠鏡で同視野で見た時衛星を持つ木星と伴星α1を伴う主星α2との対比が面白い)
- 8月17日(金)夕方の南西の低空で、月(月齢6.1)が木星に接近(離角:約3度、木星の右上に月)、西の低空から南東の低空に金星、スピカ、月と木星、アンタレス、土星、火星が並ぶ
- 8月19日(日)夕方の南の空で、月(月齢10.4)が、さそり座のアンタレスに近づき(アンタレスの上に月)、西の低空から南東の低空に金星、スピカ、木星、月とアンタレス、土星、火星が並ぶ
- 8月21日(火)夕方の南の空で、月(月齢11.1)が土星に約1.5度まで接近(土星の上に月)、西の低空から南東の低空に金星、スピカ、木星、アンタレス、月と土星、火星が並ぶ
- 8月23日(木)夕方の南東の低空で、月(月齢13.1)が火星に近づき(火星の上に月)、西の低空から南東の低空に金星、スピカ、木星、アンタレス、土星、月と火星が並ぶ
三日月†
半月(上弦)は18日(土)16:49、三日月は13日(月)で、13日(月)〜17日(金)は、西空に三日月形の月が見られます。
- 26日(日)20:56
- アメリカの民間伝承による満月の名前(旧メイン州農暦によるブルームーン計算法)
- CHarvest Moon, Full Corn Moon, Fruit Moon, Nut Moon, Barley Moon, Moon of the Black Calf, Moon When the Plums are Scarlet
- 現行アメリカ農暦(Farmers Almanac、Old Farmers Almanac 現在発行版)による満月の名前
- Full Sturgeon Moon(別名:Full Red Moon, Green Corn Moon, Grain Moon)スタージェン・ムーン
北アメリカの五大湖周辺でチョウザメがよく獲れる頃の月
今月の惑星†
- 金星(−4等)は、日没後の西の低空に見え、日没直後の高度は、24度から下がっていき22日には20度を切ります。18日には東方最大離角となり、光度-4.5等ですが、日没時の高度は20度台で、いつもの東方最大離角とは違って、高度が上がらず、あまり見やすくありません。
- 木星(−2等)は、日没時には、南〜南西の空に昇っています。午後10時半頃〜午後9時頃沈みます。
- 土星(0等)は、日没時には、南東の低空に昇っています。午前1時半頃〜午後11時半頃沈みます。
- 火星(−3等〜−2等)は、日没時、南東の空に昇ってきます。7月31日(火)大接近後、明るさが、7日(火)-2.5等を切り、30日(木)-2.0等を切ります。大きさは、8月中は20秒以上を保っています。宵の空に昇っているので、観望会などは8月が好機です。
- 水星(1等〜0等〜−1等)は、下旬から日の出直前の東の超低空に昇り始め、8月27日(月)に西方最大離角となって、日の出直前の高度が16度、光度が-0.2等となり、月末にかけてさらに明るくなります。
夕空に、右(西)の低空の金星から、南の空を通って、左(東)の低空にかけて、金星、おとめ座のスピカ、木星、さそり座のアンタレス、土星、火星と、一度に、水星を除く曜日の惑星、火、木、金、土星とふたつの一等星を見ることができます。これらの惑星と一等星は、太陽の通り道「黄道(こうどう)」に、だいたい沿っているので、黄道の通っているところがわかりやすくなっています。
今月の流星群†
8月12日(日)〜13日(月)に毎年よく流れる2.5大流星群のうちの一つ「ペルセウス座流星群」の極大となり、条件が良ければ、一時間あたり十数個の流星が見られる可能性があります。12日は新月の1日後で、月の明るさが一晩通して全くなく、条件は最良です。極大時刻は13日の朝5時〜夕方17時ですので、日本では、13日の明け方になるにつれ、輻射点も昇り、たくさん飛ぶでしょう。今年は、12日〜13日の夜どおし、晴れたら、ぜひ、空を眺めてください。周りに明かりがなく、遮蔽物がなくて、よく空が開けた場所で、空をなるべく、まんべんなく見てみましょう。
参考:国際流星機構 2018 Meteor shower calender (PDF) 11page
夏の流星観望で注意すべきことは
- 虫刺され対策
とにかく、蚊などの虫刺されが、大変です。対策をしないで、観望を始めると、あちこち刺されて大変なことになります。虫除けスプレーや、蚊取り線香などとにかく虫除け対策を十分に行いましょう。
一般的な流星観望の注意点としては
- 楽に空を見上げらえる姿勢
星を見る時に首を上に曲げ続けると首の痛みに繋がりますし落ち着いて見ることが出来ません、できれば、土から離れた高い位置に、楽に横になれるような場所を確保しましょう。
見やすい星座†
※宵の空(20時ごろの星空)での見え方です。
西の低空には宵の明星、金星が眩く輝き、おとめ座のスピカの方向に動いていきます。おとめ座のスピカの東(左)にあって、春の大三角形、春の大曲線の結ぶ先を混乱させている木星は、さそり座のアンタレスとスピカの間のてんびん座にいて、さそり座の東(左)隣には、土星がいる、いて座があり、さらに東(左)、南東の空には大接近後で明るい火星が、やぎ座にいます。これらの惑星と1等星でつくる、西から南東にかけての雄大な明るい星の並びが、都会でも空の大きさを感じさせてくれるかもしれません。これらの星は太陽の通り道「黄道(こうどう)」に、ほぼ沿って並んでいます。おとめ座、てんびん座、さそり座、いて座、やぎ座といった星占いで出てくる星座が、黄道に沿って並ぶ星座ということも実感できるでしょうか。
天文現象と関連行事†
双眼鏡、小望遠鏡のある人は†
- 引き続き、木星が昇っていますので、口径50mmの性能のいい双眼鏡をお持ちの方は、ガリレオ衛星に挑戦してみてください。8月15日には、木星が、二重星である、てんびん座α星(2.8等)に約30分まで接近するので、同視野で見た時、衛星を持つ木星と伴星α1を伴う主星α2との対比がおもしろそうです。双眼鏡の視野であれば、9月までは同視野に見えるので、ぜひ、挑戦してみてください。
- 下弦となる5日頃から三日月となる13日頃まで、星雲星団、天の川の見頃となります。
- りょうけん座のコルカロリと、うしかい座のアークトゥルスの間の球状星団 M3は、そろそろ見納めです。
- ヘラクレス座の球状星団 M13は、西の高い空にあり、見頃です。
- いて座の南斗六星の柄の部分からさそり座の尻尾にかけての天の川には、たくさんの散開星団、球状星団、散光星雲が群れています。ぜひ、双眼鏡を向けてみてください。まず、意外に星があることにびっくりし、さらにそれらが、いろいろな塊を作っていることがわかります。空の暗いところでは、球状星団、散開星団も見つけられるかもしれません。散開星団では、さそりの尻尾のM6、M7、南斗六星の柄の先にある、M8の中の星団、散開星団M21、いて座の弓の上の方にある星の塊M24、球状星団では、南斗六星の柄からちょっと上に離れたM22を、星図を使って、見つけてみましょう。
天の川は、そこから、天頂付近の、はくちょう座の真ん中を通り、北東の空に昇ってきている、カシオペヤ座まで続いています。双眼鏡で、ここをたどれば、天の川の細かい星々を見ることができ、いろんな形で細かな星が群れているところも見つかるかもしれません。また、これらも散開星団としての名前を持っているかもしれません。星図で調べてみましょう。なお、いて座の上、わし座の頭との間は、たて座という星座ですが、天の川の明るい部分を星座にしているそうです。ここも丹念に双眼鏡で見てみましょう。細かい星や、星の集まりが見つかり、うまくいくと、ほんのかすかで小さな星の雲あるいはホコリのような淡い煙のようなシミのような光が見るかるかもしれません。散光星雲M16、M17です。探してみましょう。
※双眼鏡は、倍率6〜10倍で口径40〜50mmを推奨します。
出典、参考†
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