2018年7月の夜空†
2018年天文現象、行事メモ
※月齢は21時の値(こよみの計算 - 国立天文台暦計算室にて計算、未明の現象は前日の月齢とする)
今月の一番星は何?†
西の低空に輝く宵の明星、金星(−4等)。
(日没は、茨城付近では、午後7時ごろとなります。)
夕空の見時†
日没後の西の低空に宵の明星となる金星(−4等)が昇り、一番星となります。日没後の金星の高度は、先月6月2日に最高高度29度となった後、ゆっくりと高度を落とし、8月18日(土)の東方最大離角の頃には、高度20度まで落ちます。金星は、9月まで、宵の明星として、西の夕空に君臨します。先月中旬から西の極低空にいる水星ですが、12日(木)には東方最大離角で日没直後の高度が15度、明るさ0.4等となり、その後、20日ごろまで見られそうです。
夕方の南の空には木星、南東の低空には土星が昇っており、中旬までは、夕空に、西から南東まで、水星、金星、木星、土星と惑星が輝きます。(20日ごろ以降は、水星は低すぎて見づらくなります。)
また、15日から27日まで、この並びを月が通っていきます。(水星が沈んだ後、宵の空に火星が昇ってくるので、水星が見られる20日ごろまでは、一晩で、月と火、水、木、金、土の曜日の惑星を全て見ることができます。)
- 7月10日(火)夕方の西の低空で、金星が、しし座のレグルスに接近(離角:約1度、レグルスの右上に金星)、水星、金星、スピカ、木星、土星と並ぶ。宵に南東の低空に火星が昇る
- 7月15日(日)日没直後の西の極超低空で、水星と金星の間に月(月齢2.4)が入る(金星の右下に月その右下に水星、月と金星の間に、しし座のレグルス)。夕方の北西の低空から南東の空に水星、月、レグルス、金星、スピカ、木星、アンタレス、土星と並ぶ。宵に南東の低空に火星が昇る
- 7月16日(月、祝)夕方の西の低空で、月(月齢3.4)が金星に接近(金星の右上に月、左下にだいぶ離れて水星)、水星、レグルス、金星、月、スピカ、木星、アンタレス、土星が並ぶ。宵に南東の低空に火星が昇る
- 7月10日(火)夕方の西の低空で、金星が、しし座のレグルスに接近(離角:約1度、レグルスの右上に金星)、西の低空から南東の低空に水星、金星とレグルス、スピカ、木星、土星と並ぶ。宵に南東の低空に火星が昇る
- 7月15日(日)日没直後の西の極超低空で、水星と金星の間に月(月齢2.4)が入る(金星の右下に月その右下に水星、月と金星の間に、しし座のレグルス)。夕方の西の低空から南東の空に水星、月、レグルス、金星、スピカ、木星、アンタレス、土星と並ぶ。宵に南東の低空に火星が昇る
- 7月16日(月、祝)夕方の西の低空で、月(月齢3.4)が金星に接近(金星の右上に月、左下にだいぶ離れて水星)、水星、レグルス、金星、月、スピカ、木星、アンタレス、土星が並ぶ。宵に南東の低空に火星が昇る
- 7月19日(木)夕方の西の空で、月(月齢6.4)が、おとめ座のスピカに接近(スピカの右上に月)、西の低空から南東の低空に水星、レグルス、金星、月とスピカ、木星、アンタレス、土星、火星が並ぶ
- 7月21日(土)夕方の南の空で、月(月齢8.4)が木星に接近(木星の左上に月)、西の超低空から南東の低空に水星、レグルス、金星、スピカ、木星と月、アンタレス、土星、火星が並ぶ
- 7月23日(月)夕方の南の空で、月(月齢10.4)がさそり座のアンタレスに近づき(アンタレスの左上に月)、西の低空から南東の低空にレグルス、金星、スピカ、木星、アンタレスと月、土星、火星が並ぶ
- 7月25日(水)夕方の南東の空で、月(月齢12.4)が土星に接近(離角:約3度、土星の左に月)、西の低空から南東の低空にレグルス、金星、スピカ、木星、アンタレスと月、土星、火星が並ぶ
- 7月27日(金)夕方の南東の低空で、月(月齢14.4)が火星に近づき(火星の上に月)、西の低空から南東の低空にレグルス、金星、スピカ、木星、アンタレス、土星、月と火星が並ぶ
三日月†
半月(上弦)は20日(金)04:52、三日月は15日(日)で、15日(日)〜19日(木)は、西空に三日月形の月が見られます。
- 28日(土)05:20 今年最遠の満月(ミニマムムーン 地心距離 406099km 視直径 29分25秒)
- アメリカの民間伝承による満月の名前(旧メイン州農暦によるブルームーン計算法)
- Corn Moon, Sturgeon Moon, Red Moon, Green Corn Moon, Grain Moon, Fruit Moon, Wyrt Moon, Lightning Moon
- 現行アメリカ農暦(Farmers Almanac、Old Farmers Almanac 現在発行版)による満月の名前
- Full Buck Moon(別名:Full Thunder Moon, Full Hay Moon)バック・ムーン
牡鹿の角が生え始める頃の月
今月の惑星†
- 金星(−4等)は、日没後の西の低空に見え、先月6月2日(土)に、今年の夕空で最高高度29度となったあと、高度を下げており、月末には25度を切ります。
- 木星(−2等)は、日没時には、南の空に昇っています。
- 土星(0等)は、日没時には、南東の低空に昇っています。
- 火星(−2等〜−3等)は、午後9時頃〜午後7時頃、南東の空に昇ってきます。いよいよ7月31日(火)大接近(地心距離:0.385au 視直径:24.3秒 光度:-2.8等)となります。大接近に向け、明るさは、3日(火)-2.0等を超え、22日(日)-2.5等を超え、31日(火)-2.8等、大きさは、6月26日(火)すでに20秒を超えています。
- 水星(−1等〜0等)は、先月から引き続き日没直後の西の超低空に昇っていますが、20日頃過ぎには低すぎて見えなくなります。
夕空で、右(西)の超低空の水星から、左(東)にかけて、金星、しし座のレグルス、おとめ座のスピカ、木星、さそり座のアンタレス、土星と、金星がレグルスに接近する10日以降は、しし座のレグルス、金星、おとめ座のスピカ、木星、さそり座のアンタレス、土星と並び、水星、金星が沈んだ後、南東の空に、大接近に向かって明るくなっている火星が昇ってくるので、15日から水星が見えなくなる20日頃までこの並びの中を通っていく月と合わせて、一晩で、月、火、水、木、金の曜日の天体を全て見ることができます。今年、夜半前までに曜日の天体を全て見ることができるのは、この時期までです。
また、8月には宵の空に火星、土星、木星、金星と並びます。
今月の月食†
- 7月28日(土)未明(27日(金)の夜半過ぎ)皆既月食(月没帯食) 半影食の始め 02:13.1、部分食の始め 03:24.2、皆既食の始め 04:30.0、城里町での月の入り 04:48.9(皆既のまま月の入り)
27日(金)の夜半を過ぎて翌日28日未明、皆既月食になったまま月が沈んでいく、「月没帯食」が起こります。夜中過ぎから未明の現象なので時間的にはきついですが、珍しい現象なので、起きられる方はぜひ見てみましょう。特に写真を撮る方は、皆既中で赤黒く、さらに地平線間際で形がひずんだ月と地上物とが同一フレームに入った不思議な光景を撮ることが出来るので、ロケハンを重ねて、ぜひ、挑戦してみてください。ただし、地平線間際はちょっとの雲でも影響を受けやすいので、ロケハンが不意になる確率も高いのですが。なお、青森、岩手の北東部以北では、皆既になる前に月が沈みます。
なお、月の左下6度の近さに大接近中の火星があります。城里町では、月が皆既になる前に火星は沈んでしまいますが、東京以西では、火星が沈む前に月が皆既になるようで、西に行くほど、条件が良いようです。月没帯食になる月と大接近中の火星が近くに並ぶのは、1971年8月7日未明以来の現象だそうです。可能な地域では、ぜひ、記録を残してください。
見やすい星座†
※宵の空(20時ごろの星空)での見え方です。
西の低空には宵の明星、金星が眩く輝き、月始めにしし座のレグルスの西(右)側にありますが、日を追うごとにどんどん東(左)に動いて、10日に最も近づき、その後、東(左)側をさらに東に動いていきます。おとめ座のスピカの東(左)にあって、春の大三角形、春の大曲線の結ぶ先を混乱させている木星は、さそり座のアンタレスとスピカの間のてんびん座にいて、さそり座の東(左)隣には、土星がいる、いて座が昇っています。これらの惑星と1等星でつくる、西から南東にかけての雄大な明るい星の並びが、都会でも空の大きさを感じさせてくれるかもしれません。これらの星は太陽の通り道「黄道(こうどう)」に、ほぼ沿って並んでいます。しし座、おとめ座、てんびん座、さそり座、いて座といった星占いで出てくる星座が、黄道に沿って並ぶ星座ということも実感できるでしょうか。
天文現象と関連行事†
- 7月〜 小惑星探査機「はやぶさ2」、小惑星リュウグウ探査 WikiPedia.ja:リュウグウ (小惑星)
- 7月 1日(日)宵すぎの南東の空で、月(月齢17.7)が、火星に近づき(火星の左に月)、南西の低空から南東の低空にスピカ、木星、アンタレス、土星、火星、月と並ぶ
- 7月 1日(日)〜 6日(金)International Planetarium Society Conference 2018 in Toulouse PS 2018
- 7月 3日(火)火星の光度が-2.0等を超える
- 7月 4日(水)〜13日(金)GLOBE at Night(対象:北半球 ヘルクレス座、南半球 さそり座)日本語サポートページ 日本語Webアプリ(スマホでも使えます。) スマートフォン用アプリ
- 7月 6日(金)16:51 下弦
- 7月 7日(土)月齢24 七夕
- 7月 7日(土)七夕ライトダウン(クールアースデイ) ライトダウンキャンペーン
- 7月10日(火)06:51 国際宇宙ステーション補給ミッションのため、プログレスMS-09(70p)、ソユーズ-2.1a ロケットにて打ち上げ ※Launch Schedule - Spaceflight Now
- 7月10日(火)夕方の西の低空で、金星が、しし座のレグルスに接近(離角:約1度、レグルスの右上に金星)、西の低空から南東の低空に水星、金星とレグルス、スピカ、木星、土星と並ぶ。宵に南東の低空に火星が昇る
- 7月13日(金)11:48 新月
- 7月15日(日)三日月
- 7月15日(日)日没直後の西の極超低空で、水星と金星の間に月(月齢2.4)が入る(金星の右下に月その右下に水星、月と金星の間に、しし座のレグルス)。夕方の西の低空から南東の空に水星、月、レグルス、金星、スピカ、木星、アンタレス、土星と並ぶ。宵に南東の低空に火星が昇る
- 7月16日(月、祝)夕方の西の低空で、月(月齢3.4)が金星に接近(金星の右上に月、左下にだいぶ離れて水星)、水星、レグルス、金星、月、スピカ、木星、アンタレス、土星が並ぶ。宵に南東の低空に火星が昇る
- 7月19日(木)夕方の西の空で、月(月齢6.4)が、おとめ座のスピカに接近(スピカの右上に月)、西の低空から南東の低空に水星、レグルス、金星、月とスピカ、木星、アンタレス、土星、火星が並ぶ
- 7月20日(金)04:52 上弦
- 7月21日(土)関東地方梅雨明け平年 気象庁 | 過去の梅雨入りと梅雨明け(関東甲信)
- 7月21日(土)夕方の南の空で、月(月齢8.4)が木星に接近(木星の左上に月)、西の超低空から南東の低空に水星、レグルス、金星、スピカ、木星と月、アンタレス、土星、火星が並ぶ
- 7月22日(日)火星の光度が-2.5等を超え、四捨五入で−3等となる
- 7月23日(月)夕方の南の空で、月(月齢10.4)がさそり座のアンタレスに近づき(アンタレスの左上に月)、西の低空から南東の低空にレグルス、金星、スピカ、木星、アンタレスと月、土星、火星が並ぶ
- 7月25日(水)夕方の南東の空で、月(月齢12.4)が土星に接近(離角:約3度、土星の左に月)、西の低空から南東の低空にレグルス、金星、スピカ、木星、アンタレスと月、土星、火星が並ぶ
- 7月27日(金)夕方の南東の低空で、月(月齢14.4)が火星に近づき(火星の上に月)、西の低空から南東の低空にレグルス、金星、スピカ、木星、アンタレス、土星、月と火星が並ぶ
- 7月28日(土)皆既月食(月没帯食) 半影食の始め 02:13.1、部分食の始め 03:24.2、皆既食の始め 04:30.0、城里町での月の入り 04:48.9(皆既のまま月の入り) ※城里町での月の入りは、こよみの計算 - 国立天文台暦計算室月の出入り・南中時にて計算
- 7月28日(土)05:20 満月(今年最遠の満月 ミニマムムーン 地心距離 406099km 視直径 29分25秒)
- アメリカの民間伝承による満月の名前(旧メイン州農暦によるブルームーン計算法)
- Hay Moon, Buck Moon, Thunder Moon, Ripe Corn Moon, Mead Moon, Moon of the Red Cherries, Rose Moon
- 現行アメリカ農暦(Farmers Almanac、Old Farmers Almanac 現在発行版)による満月の名前
- アメリカの民間伝承による満月の名前(旧メイン州農暦によるブルームーン計算法)
- Corn Moon, Sturgeon Moon, Red Moon, Green Corn Moon, Grain Moon, Fruit Moon, Wyrt Moon, Lightning Moon
- 現行アメリカ農暦(Farmers Almanac、Old Farmers Almanac 現在発行版)による満月の名前
- Full Buck Moon(別名:Full Thunder Moon, Full Hay Moon)バック・ムーン(牡鹿の角が生え始める頃の月)
- 7月29日(日)アメリカ航空宇宙局(NASA)設立(1958年7月29日)60周年 NASA´s 2018 To Do List(Youtube) アメリカ航空宇宙局 - Wikipedia
- 7月31日(火)火星大接近(15年ぶりに大接近 地心距離:0.385au 視直径:24.3秒 光度:-2.8等)
双眼鏡、小望遠鏡のある人は†
- 引き続き、木星が昇っていますので、口径50mmの性能のいい双眼鏡をお持ちの方は、ガリレオ衛星に挑戦してみてください。8月15日に約30分まで接近する、てんびん座α星(2.8等)は二重星なので、同視野で見た時、衛星を持つ木星と伴星α1を伴う主星α2との対比がおもしろそうです。双眼鏡の視野であれば、9月までは同視野に見えるので、ぜひ、挑戦してみてください。
- 下弦となる6日頃から三日月となる15日頃まで、星雲星団、天の川の見頃となります。
- かみのけ座の中心部の散開星団(メロッテ111)は、そろそろ見納めです。
- りょうけん座のコルカロリと、うしかい座のアークトゥルスの間の球状星団 M3は、まだ見頃です。
- ヘラクレス座の球状星団 M13は、ほとんど天頂にあり、見頃です。
- いて座の南斗六星の柄の部分からさそり座の尻尾にかけての天の川には、たくさんの散開星団、球状星団、散光星雲が群れています。ぜひ、双眼鏡を向けてみてください。まず、意外に星があることにびっくりし、さらにそれらが、いろいろな塊を作っていることがわかります。空の暗いところでは、球状星団、散開星団も見つけられるかもしれません。散開星団では、さそりの尻尾のM6、M7、南斗六星の柄の先にある、M8の中の星団、散開星団M21、いて座の弓の上の方にある星の塊M24、球状星団では、南斗六星の柄からちょっと上に離れたM22を、星図を使って、見つけてみましょう。
※双眼鏡は、倍率6〜10倍で口径40〜50mmを推奨します。
出典、参考†
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