2018年6月の夜空†
2018年天文現象、行事メモ
※月齢は21時の値(こよみの計算 - 国立天文台暦計算室にて計算、未明の現象は前日の月齢とする)
今月の一番星は何?†
西の低空に輝く宵の明星、金星(−4等)。
(日没は、茨城付近では、午後7時ごろとなります。)
夕空の見時†
日没後の西の低空に宵の明星となる金星(−4等)が昇り、一番星となります。日没後の金星の高度は、2日(土)には、29度と今年の夕空で最高高度となり、その後、ゆっくりと高度を落とし、8月18日(土)の東方最大離角の頃には、高度20度まで落ちます。金星は、9月まで、宵の明星として、西の夕空に君臨します。
夕方の南東の空には木星が昇っており、夕空に、西に金星、南東に木星の、2つの明るい金色の惑星が輝きます。
中旬ぐらいから、日没直後の北西の極超低空に水星が昇り、下旬には土星が南東の空に顔を出し、夕空に、東から、土星、木星、金星、水星と並びます。また、15日から28日まで、この並びを月が通っていきます。(水星が沈んだ後、夜半前の空に明るさを増している火星が昇ってくるので、一晩で、月と火、水、木、金、土の曜日の惑星を全て見ることができます。)
- 6月 2日(土)〜 6月19日(火)金星の日没時の高度が29度を超える(今年最も高度が高い時期)
- 6月 8日(金)夕方の西の低空で、金星が、ふたご座のポルックスに接近(ポルックスの左下に金星)
- 6月16日(土)夕方の西の低空で、月(月齢2.7)が金星に接近(金星の左下に月)
- 6月18日(月)夕方の西の空で、月(月齢4.7)が、しし座のレグルスに接近(離角:約1度、レグルスの下に月)
- 6月23日(土)夕方の南の空で、月(月齢9.7)が木星に接近(木星の右上に月)
- 6月28日(木)夕方の南東の低空で、月(月齢14.7)が土星に接近(土星の左下に月)
三日月†
半月(上弦)は20日(水)19:51、三日月は16日(土)で、16日(土)〜19日(火)は、西空に三日月形の月が見られます。
- 28日(木)13:53 満月
- アメリカの民間伝承による満月の名前(旧メイン州農暦によるブルームーン計算法)
- Hay Moon, Buck Moon, Thunder Moon, Ripe Corn Moon, Mead Moon, Moon of the Red Cherries, Rose Moon
- 現行アメリカ農暦(Farmers Almanac、Old Farmers Almanac 現在発行版)による満月の名前
- Full Strawberry Moon(別名:Rose Moon, Hot Moon)ストロベリー・ムーン
イチゴの収穫の頃の月
今月の惑星†
- 金星(−4等)は、日没後の西の低空に見え、2日(土)には、今年の夕空で最高高度となり、その後高度を下げていきます。
- 木星(−2等)は、日没時には、南東〜南の空に昇っています。
- 土星(0等)は、中旬まで、午後9時頃〜午後8時頃、南東の空に昇ってきますが、下旬には、日没後の南東の空に見えるようになります。
- 火星(−1等〜−2等)は、午後11時頃〜午後9時頃、南東の空に昇ってきます。7月31日(火)の大接近に向け、どんどん明るさと見かけの大きさを増していきます。明るさは、6月17日(日)には−2等となり、見かけの大きさは、6月26日(火)に視直径が20秒を超えます。
- 水星(−1等〜0等)は、中旬から日没直後の西の超低空に昇っています。
夕空で、右(西)から、金星、しし座のレグルス、おとめ座のスピカ、木星、さそり座のアンタレスと並び、中旬には、日没直後の西の極超低空に水星が加わり、下旬には、南東の空に土星が加わって、夕空に、右(西)から、水星、金星、しし座のレグルス、おとめ座のスピカ、木星、さそり座のアンタレス、土星と並び、水星、金星が沈んだ後、南東の空に明るさを増している火星が昇ってくるので、15日以降この並びの中を通っていく月と合わせて、一晩で、月、火、水、木、金の曜日の天体を全て見ることができます。今年、夜半前までに曜日の天体を全て見ることができるのは、6月中旬〜7月初めと、7月中旬のみです。
また、8月には宵の空に火星、土星、木星、金星と並びます。
7月31日(火)に大接近となる火星は、この日に向け、明るさ、見かけの大きさ(望遠鏡でないとわからないですが)を増していきます。
見やすい星座†
※宵の空(20時ごろの星空)での見え方です。
空高く天頂付近には、うしかい座の一等星アルクトゥルスがまばゆく輝き、北の空高く北斗七星が昇っています。北斗七星の柄の部分のカーブをたどって、アークトゥルスにいたる春の大曲線は、おとめ座のスピカまでたどれるはずですが、スピカの東(左がわ)にもっと明るい木星があるため、そちらへ結んでしまうかもしれません。本当のスピカは、木星より暗くて、白い星です。スピカ、アークトゥルスと、しし座のしっぽの2等星デネボラを結ぶ春の大三角形はほぼ正三角形に見えますが、今年は、スピカ、アークトゥルスと木星を結んで直角三角形にしてしまう勘違いが起きるかもしれません。
南東の低空には、土星のいる、いて座と真っ赤な1等星アンタレスを含む、さそり座が昇っています。東の空には、こと座のベガ、はくちょう座のデネブ、わし座のアルタイルの夏の大三角形が昇ってきていて、星座は、春から夏へと変って行くところです。
天文現象と関連行事†
- 6月ごろ〜8月ごろ 夕方の南東の空〜南西の空で、木星が、てんびん座α星(2.8等)に近づいて見える。
- 6月 1日(金)夜半の南東の空で、月(月齢17.0)が土星に近づき、南西から南東の空にスピカ、木星、アンタレス、土星と、火星が並ぶ
- 6月 2日(土)〜 6月19日(火)金星の日没時の高度が29度を超える(今年最も高度が高い時期)
- 6月 3日(日)夕方の南東の空で、木星が、二重星、てんびん座α星(2.8等)に約52分まで接近(望遠鏡で同視野で見た時衛星を持つ木星と伴星α1を伴う主星α2との対比が面白い。木星の留付近なので、8月15日(水)にまた近づく)
- 6月 3日(日)夜半の南東の空で、月(月齢19.0)が火星に接近、南西から南東の空にスピカ、木星、アンタレス、土星、火星と月が並ぶ
- 6月 3日(日) 21:40 金井宇宙飛行士を含む、国際宇宙ステーション第54次/第55次長期滞在クルーを乗せたSoyuz MS-07、切り離し、帰還 ※NASA TV Schedule | NASA
- NASA TV 中継スケジュール
- 2日(土)03:25〜 指揮交代式
- 3日(日)14:30〜 送別式、ハッチクローズ(14:55予定)、17:42〜 ソユーズ切り離し(18:16予定)20:15〜 軌道離脱噴射(20:47予定)、着陸(21:40予定)
- 4日(月)00:00〜 ハッチクローズ、切り離し、着陸、着陸後行事再放送
- 5日(火)00:00〜 カザフスタン、カラガンダにおける着陸後行事録画(金井宣茂宇宙飛行士、スコット・ティングル宇宙飛行士へのインタビューを含む)
- JAXA 金井宣茂宇宙飛行士が搭乗するソユーズ宇宙船(53S/MS-07)帰還ライブ中継
- 6月 4日(月)〜6日(水)全国プラネタリウム大会 会場:セーレンプラネット(福井市自然史博物館分館) (福井県福井市)
- 6月 4日(月)〜13日(水)GLOBE at Night(対象:北半球 ヘルクレス座、南半球 みなみじゅうじ座)日本語サポートページ 日本語Webアプリ(スマホでも使えます。) スマートフォン用アプリ
- 6月 5日(火)未明の南東の空で、南西から南東の空にスピカ、木星、アンタレス、土星、火星、月(月齢20.0)が並ぶ
- 6月 6日(水)未明の南東の空で、南西から南東の空にスピカ、木星、アンタレス、土星、火星、月(月齢21.0)がほぼ等間隔に並ぶ
- 6月 6日(水)20:12 国際宇宙ステーション第56次/第57次長期滞在クルーを乗せたSoyuz MS-09、ソユーズFGロケットにて打ち上げ ※Launch Schedule - Spaceflight Now
- NASA TV 中継スケジュール
- 1日(金)05:00〜 Media channelにて、打上前行事(5月30日〜31日分録画あり)
- 5日(火)05:00〜 ソユーズ機体移動、バイコヌールでのインタビュー
- 6日(水)04:00〜 打上前最終記者会見録画、19:15〜 打上中継(打上予定20:12、19:30 打上前活動のBロール含む)
- 8日(金)24:15〜 ISSドッキング中継(ドッキング予定 9日01:07)
- 9日(土)02:30〜 ハッチオープン、歓迎式(ハッチオープン予定 03:05ごろ)
- 6月 7日(木)03:32 下弦
- 6月 8日(金)関東地方梅雨入り平年
- 6月 8日(金)夕方の西の低空で、金星が、ふたご座のポルックスに接近(ポルックスの左下に金星)
- 6月12日(火)13:20 H-IIAロケット39号機により情報収集衛星レーダ6号打上 ※H-IIAロケット39号機による情報収集衛星レーダ6号機の打上げ延期について
- 6月14日(木)04:43 新月
- 6月15日(金)日没後の北西の極超低空に水星が昇ってきて、細い月(月齢1.7)もあり、金星、しし座のレグルス、おとめ座のスピカ、木星、さそり座のアンタレス、南東の超低空に土星が並ぶ。夜半には火星が昇ってくる(夕空の水星、月、金星は沈む)
- 6月15日(金)頃〜7月22日(日)頃、夕方の北西の低空〜南東の超低空に水星、金星、しし座のレグルス(7月10日以降はレグルスと金星が逆転)、おとめ座のスピカ、木星、さそり座のアンタレス、土星、火星が並ぶ。宵には、水星は沈み、火星が昇ってくる。
- 6月16日(土)三日月
- 6月16日(土)夕方の西の低空で、月(月齢2.7)が金星に接近(金星の左下に月)、宵の南西から南東の空に月と金星、木星、土星、夜半に火星が並ぶ
- 6月17日(日)火星の光度が-1.5等を超え、四捨五入で−2等となる
- 6月18日(月)夕方の西の空で、月(月齢4.7)が、しし座のレグルスに接近(離角:約1度、レグルスの下に月)
- 6月20日(水)19:51 上弦
- 6月20日(水)夕方の北西の低空から南東の超低空に水星、金星、しし座のレグルス、上弦の月(月齢6.7)、おとめ座のスピカ、木星、さそり座のアンタレス、土星がほぼ等間隔に並ぶ(夜半前に南東の空から火星が昇ってくるが、水星、金星は沈む。翌21日未明には、みなみのうお座のフォーマルハウトが昇ってくる)
- 6月21日(木)19:07 夏至
- 6月21日(木)夏至ライトダウン
- 6月22日(金)夕方の南の空で、月(月齢8.7)が、おとめ座のスピカに近づく(北西の低空から南東の低空に水星、金星、レグルス、月とスピカ、木星、アンタレス、土星が並ぶ。宵すぎには南東の空に火星が昇ってくる)
- 6月23日(土)〜24日(日)第10回星空案内人の集い 会場:福島県三春町さくら湖自然観察ステーション、宿泊:三春の里田園生活館
- 6月23日(土)夕方の南の空で、月(月齢9.7)が木星に接近(木星の右上に月)
- 6月24日(日)The International SUN-Day 国際太陽の日 (主催:Charlie Bates Solar Astronomy Project)、Worldwide Solstice Festival 国際至点(夏至、冬至)フェスティバル(Facebookページ)(呼びかけ人:Facebook内の「SOLARACTIVITY」グループ)合同祭
- 6月25日(月)〜27日(水)日本公開天文台協会(JAPOS) 第13回全国大会(福島市 福島テルサにて)
- 6月25日(月)夕方の南東の空で、月(月齢11.7)が、さそり座のアンタレスに近づき、夕方の北西の低空から南東の低空に水星、金星、レグルス、スピカ、木星、月、アンタレス、土星と並ぶ。宵すぎに、水星、金星、レグルスは沈むが火星が昇る
- 6月26日(火)夕方の南東の空で、月(月齢12.7)が、さそり座のアンタレスに近づき、夕方の西の低空から南東の低空に水星、金星、レグルス、スピカ、木星、アンタレス、月、土星と並ぶ。宵すぎに、水星、金星、レグルスは沈むが火星が昇る
- 6月26日(火)火星の視直径が20秒を超える
- 6月27日(水)夕方の南東の空で、月(月齢13.7)が、土星に近づき(土星の右上に月)、夕方の西の低空から南東の低空に水星、金星、レグルス、スピカ、木星、アンタレス、月、土星と並ぶ。宵すぎに、水星、金星、レグルスは沈むが火星が昇る
- 6月27日前後 小惑星探査機「はやぶさ2」、小惑星リュウグウに到着 ※「はやぶさ2」、小惑星リュウグウ到着の最終段階へ
- 6月28日(木)13:53 満月
- アメリカの民間伝承による満月の名前(旧メイン州農暦によるブルームーン計算法)
- Hay Moon, Buck Moon, Thunder Moon, Ripe Corn Moon, Mead Moon, Moon of the Red Cherries, Rose Moon
- 現行アメリカ農暦(Farmers Almanac、Old Farmers Almanac 現在発行版)による満月の名前
- Full Strawberry Moon(別名:Rose Moon, Hot Moon)ストロベリー・ムーン(イチゴの収穫の頃の月)
- 6月28日(木)夕方の南東の空で、月(月齢14.7)が、土星に近づき(土星の左下に月)、夕方の西の低空から南東の低空に水星、金星、レグルス、スピカ、木星、アンタレス、土星、月と並ぶ。宵すぎに、水星、金星、レグルスは沈むが火星が昇る
- 6月28日(木)火星 留
- 6月29日(金)18:41 SpaceX、国際宇宙ステーションへの補給(CRS-15)のため Dragon(ドラゴン宇宙船)をFalcon9(ファルコン9ロケット)にて打ち上げ ※Launch Schedule - Spaceflight Now
- 6月29日(金)宵すぎの南東の空で、月(月齢15.7)が、土星と月の間に入り、西の低空から南東の低空に金星、レグルス、スピカ、木星、アンタレス、土星、月、火星と並ぶ
- 6月30日(土)Asteroid Day アステロイドディ
- 6月30日(土)宵すぎの南東の空で、月(月齢16.7)が、火星に近づき(火星の右上に月)、西の低空から南東の低空に金星、レグルス、スピカ、木星、アンタレス、土星、月、火星と並ぶ
双眼鏡、小望遠鏡のある人は†
- 宵から夕方の南東の空に昇っている木星にはたくさんの衛星が回っていますが、中でも、ガリレオガリレイが発見した4大衛星、ガリレオ衛星は、口径50mmの性能のいい双眼鏡だと木星の周りにへばりついているように見えます。双眼鏡の性能を試すために一度覗いてみてください。また、6月、7月は、木星のすぐ近くに、二重星のてんびん座のα星(2等星)があります。木星の衛星に見え方と比べてみましょう。
- 下弦となる7日頃から三日月となる16日頃まで、星雲星団、天の川の見頃となります。
- かに座の散開星団プレセペ(M44)、かみのけ座の中心部の散開星団(メロッテ111)、はそろそろ見納めです。
- りょうけん座のコルカロリと、うしかい座のアークトゥルスの間の球状星団 M3は、まだ見頃です。
- ヘラクレス座の球状星団 M13は、これから見頃です。
※双眼鏡は、倍率6〜10倍で口径40〜50mmを推奨します。
出典、参考†
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