2018年3月の夜空†
2018年天文現象、行事メモ
※月齢は21時の値(こよみの計算 - 国立天文台暦計算室にて計算、未明の現象は前日の月齢とする)
今月の一番星は何?†
上旬は、南東の空に白く輝く、おおいぬ座のシリウス(−1等)、中旬、下旬は、西の超低空に輝く宵の明星、金星(−4等)。
(日没は、茨城付近では、午後5時半ごろ〜午後6時ごろとなります。)
夕空の見時†
日没直後の西の超低空に宵の明星となる金星(−4等)が見え始め、日没直後に極超低空というか地平線ぎりぎりに見え始め、17日(土)には、月齢1.6の非常に細い月が近づきます。また、金星のすぐ近く、右下の方には水星があり、金星に近づいて、4日(日)には1度ほどまで接近、それ以降、金星の右上にきます。水星は、14日(水)ごろ高度が最高となり、16日(金)には東方最大離角で、今年の夕空では最も見やすくなります。すぐ近くに金星もあって見つけやすいので、是非、挑戦してみてください。また、金星は、どんどん高度を上げ、9月まで、宵の明星として、西の夕空に君臨します。
- 3月 1日(木)夕方の東の低空で、月(月齢13.6)が、しし座のレグルスに接近
- 3月 4日(日)日没直後の西の極超低空で、水星が金星に接近
- 3月16日(金)日没直後の西の極超低空で、水星が東方最大離角(日没時の高度:17度 光度:-0.2等)
- 3月19日(月)日没直後の西の極超低空で、月(月齢2.0)が金星に接近(左上に水星)
- 3月22日(木)夕方の南西の空高く、月(月齢5.0)が、おうし座のアルデバランに近づく
- 3月23日(金)夕方の南西の空高く、月(月齢6.0)が、おうし座のアルデバランに近づく
- 3月28日(水)夕方の東の空で、月(月齢11.0)が、しし座のレグルスに接近
三日月†
半月(上弦)は25日(日)00:35、三日月は19日(月)で、19日(月)〜24日(土)は、西空に三日月形の月が見られます。
満月、ブルームーン†
ブルームーンをどう定義するかは以下の2説あります。
- 二至二分(夏至冬至春分秋分)の間に満月が4回あった時に3番目の満月をブルームーンとする (旧メーン州農暦の計算法)※2018年天文現象、行事メモ#e4060029
- ひと月に2度ある満月のうち、2度目をブルームーンとする(現行アメリカ農暦の方法) ※2018年天文現象、行事メモ#da8404ee
1.の方法では、今年は、ブルームーンはなく、2.の方法では、日本を含む広い地域で2回あります。
2.の方法(現行アメリカ農暦の方法)でのブルームーン
- 日本を含め、UTC+11 の時間帯より東側(UTC-12〜UTC+10)では、2回
- UTC+10 で夏時間がある場合(オーストラリア シドニーなど)、UTC+11、UTC+12 は、1回
- UTC+12 で夏時間がある場合(ニュージーランドなど)、月遅れで、1回
参考:Blue Moon - The Double Blue Moon of 2018、時間帯 (標準時) - Wikipedia
今年は、3月も、日本を含め、UTC+11 の時間帯より東側(UTC-12〜UTC+10)では、満月が、2回起こります。
- 3月 2日(金)09:51 満月
- アメリカの民間伝承による満月の名前(旧メイン州農暦によるブルームーン計算法)
- Worm Moon, Crow Moon, Sap Moon, Lenten Moon, Chaste moon, Crust Moon, Death Moon
- 現行アメリカ農暦(Farmers Almanac、Old Farmers Almanac 現在発行版)による満月の名前
- Full Worm Moon(別名:Full Crow Moon, Full Crust Moon, Full Sap Moon, Lenten Moon)ワーム・ムーン
ミミズが這い出る頃の月
- 3月31日(土)21:37 満月、ブルームーン
- アメリカの民間伝承による満月の名前(旧メイン州農暦によるブルームーン計算法)
- Seed Moon, Pink Moon, Sprouting Grass Moon, Egg Moon, Fish Moon, Flower Moon, Awakening Moon, Easter Moon, Paschal Moon
- 現行アメリカ農暦(Farmers Almanac、Old Farmers Almanac 現在発行版)による満月の名前
- Blue Moon ブルームーン
ただし、UTC+11(UTC+10で夏時間がある場合)〜UTC+12の時間帯では、ブルームーンとならない。Full Pink Moon(別名:Full Sprouting Grass Moon, Egg Moon, Full Fish Moon)ピンク・ムーンとなる。(ピンク・ムーンは、芝桜の咲く頃の月)
今月の惑星†
- 火星(1等〜0等)は、午前1時半頃〜午前1時頃、南東の空に昇ってきます。
- 木星(−2等)は、午後11時半頃〜午後9時半頃、南東の空に昇ってきます。
- 水星(−1等)は、月初から日没直後の西の極超低空に見えてきます。金星が近くにあります。16日(金)東方最大離角(日没時の高度:17度 光度:-0.2等)25日頃には見づらくなります。
- 土星(1等)は、午前3時頃〜午前1時頃、南東の空に昇ってきます。
- 金星(−4等)は、日没直後の西の極超低空に見え、高度を上げていきます。
未明の空で、木星、火星、土星が並び、火星が土星に近づいていきます。来月4月 3日(火)には、1度ほどまで近づきます。
なお、これらの惑星は、今後、ばらけながら未明から夜半、宵の空に移って、7月には、夕空から宵の明星、金星、非常に低いながら水星も加わって、夜更けから宵の空いっぱいに曜日のつく惑星が並びます。また、8月には宵の空に木星、火星、土星、金星と並びます。
見やすい星座†
※宵の空(20時ごろの星空)での見え方です。
冬の星座が南の空高く昇り、7つの一等星、おうし座のアルデバラン、ぎょしゃ座のカペラ、ふたご座のポルックス、こいぬ座のプロキオン、おおいぬ座のシリウス、オリオン座のリゲル、ベテルギウスを引き連れて、賑やかに輝いています。東の空には、春の星座、しし座が昇っています。
未明の見時†
未明の空で、木星、火星、土星が並び、火星が土星に近づいていきます。来月4月 3日(火)には、1度ほどまで近づきます。木星の右(西)には、おとめ座のスピカ、木星と火星の間には、さそり座のアンタレスがあって、西からスピカ、木星、アンタレス、火星、土星が南の空に並びます。5日(月)〜11日(日)には、これらのすぐ上を満月過ぎから細くなっていく月が通っていき、12日(月)には、この列の端に細い月が加わります。
- 3月 4日(日)未明の南西から南東の空に月(月齢15.6)、スピカ、木星、アンタレス、火星、土星と並ぶ
- 3月 4日(日)夜半の南東の空で月(月齢16.6)おとめ座のスピカに近づく(翌 5日未明に南西から南東の空に月、木星、アンタレス、火星、土星と並ぶ)
- 3月 8日(木)未明の南東の空で月(月齢19.6)が木星に近づく(南西から南東の空にスピカ、木星、月、アンタレス、火星、土星と並ぶ)
- 3月 9日(金)未明の南東の空で下弦の月(月齢20.6)が火星と木星の間に入る(下にさそり座のアンタレス)(南西から南東の空にスピカ、木星、月、火星、土星と並ぶ)
- 3月10日(土)未明の南東の空で月(月齢21.6)が火星に近づく(南西から南東の空にスピカ、木星、アンタレス、月、火星、土星と並ぶ)
- 3月11日(日)未明の南東の空で月(月齢22.6)が土星に近づく(南西から南東の空にスピカ、木星、アンタレス、火星、月、土星と並ぶ)
- 3月12日(月)未明の南西から南東の空にスピカ、木星、アンタレス、火星、土星、月(月齢23.6)と並ぶ
天文現象と関連行事†
- 3月 1日(木)夕方の東の低空で、月(月齢13.6)が、しし座のレグルスに接近
- 3月 2日(金)09:51 満月、ワーム・ムーン
- アメリカの民間伝承による満月の名前:Worm Moon, Crow Moon, Sap Moon, Lenten Moon, Chaste moon, Crust Moon, Death Moon
- 現行アメリカ農暦による満月の名前:Full Worm Moon(別名:Full Crow Moon, Full Crust Moon, Full Sap Moon, Lenten Moon)ワーム・ムーン(ミミズが這い出る頃の月)
- 3月 3日(土)第2回国際宇宙探査フォーラム(日本開催)
- 3月 4日(日)未明の南西から南東の空に月(月齢15.6)、スピカ、木星、アンタレス、火星、土星と並ぶ
- 3月 4日(日)夜半の南東の空で月(月齢16.6)おとめ座のスピカに近づく(翌 5日未明に南西から南東の空に月、木星、アンタレス、火星、土星と並ぶ)
- 3月 8日(木)未明の南東の空で月(月齢19.6)が木星に近づく(南西から南東の空にスピカ、木星、月、アンタレス、火星、土星と並ぶ)
- 3月 8日(木)〜17日(日)GLOBE at Night(対象:北緯40度より小 オリオン座、北緯40度以上 しし座、南半球 おおいぬ座)日本語サポートページ 日本語Webアプリ(スマホでも使えます。) スマートフォン用アプリ
- 3月 9日(金)未明の南東の空で下弦の月(月齢20.6)が火星と木星の間に入る(下にさそり座のアンタレス)(南西から南東の空にスピカ、木星、月、火星、土星と並ぶ)
- 3月 9日(金)20:20 下弦
- 3月10日(土)未明の南東の空で月(月齢21.6)が火星に近づく(南西から南東の空にスピカ、木星、アンタレス、月、火星、土星と並ぶ)
- 3月11日(日)未明の南東の空で月(月齢22.6)が土星に近づく(南西から南東の空にスピカ、木星、アンタレス、火星、月、土星と並ぶ)
- 3月12日(月)未明の南西から南東の空にスピカ、木星、アンタレス、火星、土星、月(月齢23.6)と並ぶ
- 3月14日(水)〜17日(土)日本天文学会春季年会 千葉大学 西千葉キャンパス(千葉県千葉市) ※日本天文学会 年会
- 3月14日(水)〜17日(土)日本天文学会第19回ジュニアセッション 千葉大学 ※ジュニアセッション ホームページ
- 3月16日(金)水星東方最大離角(日没直後の高度17度 -0.2等)
- 3月17日(土)22:12 新月(メシエマラソン最適日)
- 3月19日(月)日没直後の西の極超低空で、月(月齢2.0)が金星に接近(左上に水星)
- 3月21日(水)01:15 春分
- 3月22日(木)02:44 国際宇宙ステーション第55次/第56次長期滞在クルーを乗せたSoyuz MS-08、ソユーズFGロケットにて打ち上げ ※Launch Schedule - Spaceflight Now
- 3月22日(木)夕方の南西の空高く、月(月齢5.0)が、おうし座のアルデバランに近づく
- 3月23日(金)夕方の南西の空高く、月(月齢6.0)が、おうし座のアルデバランに近づく
- 3月24日(土)〜28日(水)世界天文コミュニケーション会議 2018 in 福岡
- 3月25日(日)00:35 上弦
- 3月28日(水)夕方の東の空で、月(月齢11.0)が、しし座のレグルスに接近
- 3月31日(土)21:37 満月、ブルームーン
- アメリカの民間伝承による満月の名前:Seed Moon, Pink Moon, Sprouting Grass Moon, Egg Moon, Fish Moon, Flower Moon, Awakening Moon, Easter Moon, Paschal Moon
- 現行アメリカ農暦による満月の名前:Blue Moon ブルームーン ただし、UTC+11(UTC+10で夏時間がある場合)〜UTC+12の時間帯では、ブルームーンとならない。Full Pink Moon(別名:Full Sprouting Grass Moon, Egg Moon, Full Fish Moon)ピンク・ムーンとなる。(ピンク・ムーンは、芝桜の咲く頃の月)
双眼鏡、小望遠鏡のある人は†
- 下弦となる9日頃から三日月となる19日頃まで、星雲星団、天の川の見頃となります。
- ふたご座のポルックスとしし座のレグルスの間を双眼鏡で流していると、細かい星が綿埃のように集まっているのが見つかるかもしれません、プレセペという名のついた散開星団(M44)です。この星団を口から吹いた泡のようにして、暗い星ばかりの、かに座を結んでいきます。(是非、双眼鏡で確認してみてください。)
- しし座の尻尾の星デネボラとりょうけん座のコルカロリの間を双眼鏡で見てみると、明るい星の群れがあるのがわかります。ベレニケの髪の毛とも言える、かみのけ座の中心部の散開星団です。メロッテ111という名前もあります。双眼鏡で見て一番美しい対象です。双眼鏡では明るい星ばかりですので、双眼鏡を手に入れたら、一度は挑戦してみてください。
- この頃、一晩かけて、望遠鏡を使って、すべてのメシエ天体を見る「メシエマラソン」が行われます。メシエ天体の分布から、この時期にすべてのメシエ天体が見えると言われています。双眼鏡ではすべては無理ですが、どこまで探せるか、この機会に挑戦してみてください。
※双眼鏡は、倍率6〜10倍で口径40〜50mmを推奨します。
出典、参考†
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